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逃げるコマンド

by 唐草 [2023/07/20]



 仕事柄コンピュータをコマンドで操作することが多い。古めかしいコマンド操作を利用しているのは、コマンドにはコマンドにしかない便利さがあるから。
 コマンドの利点は、同じ操作を繰り返せることと複数のコマンドを合体させて複雑な操作を実現できることにある。例えば「あるフォルダにある3日以上前に作られたファイルを圧縮ファイルにまとめて、その圧縮ファイルをネットワークドライブへ転送する作業を毎日午前3時に実行する」ということを1行の命令で実行できる。同じことをWindowsで実現するには、いくつものソフトを連携させる必要がある。
 一方でコマンドには弱点もある。コマンドを覚えるのは呪文を覚えるのに近い。知らなければなにもできない。まず、どんなコマンドが存在するのかを知る必要がある。このように習得に時間がかかることもコマンドの弱点だ。
 弱点はそれだけではない。ぼくのように少なくないコマンドを覚えていても、コマンド操作をするときには一抹の不安が過る。コマンドを打ち間違えると取り返しの付かないことが、いともたやすく起きてしまうからだ。
 数あるコマンドの中でも、ぼくが特に恐れているのはディスク操作系のコマンド。ディスクをフォーマットしたり、ファイルシステム形式を変更したり、論理ボリュームグループを追加したりするコマンド。ちょっと間違えただけでもディスクの中身をすべて消してしまって、データを失う可能性がある。
 だから、ずっとディスク操作系コマンドから距離を置いてきた。コマンドでディスクを操作するぐらいなら、物理的に新しいディスクを用意する方を選ぶ。そうやって、逃げに逃げてきた。
 逃げ続けていたらいつまでもコマンドを理解することはできない。失敗しても良いテスト用PCを用意して勉強するべきなのだろう。そうは分かっているが、テスト用の機材を準備するのには時間がかかるし、ミスったらテスト環境を1から作り直す羽目になる。そう思うと重い腰は上がらない。
 という訳で、今日もディスク操作コマンドから逃げるのであった。さぁ、新しいディスクを買いに行こう。