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インテリフォーム

by 唐草 [2023/07/07]



 何かを調べようと思ったら、小さなフォームに「天気 東京」や「椅子 チルト 5脚」といった具合に知りたい話題に関連する単語をいくつか入力する。雑然と言葉を羅列しただけで目的の情報を得られるのは、高度なアルゴリズムや柔軟なAIのおかげ。
 これに慣れると、どんな検索でも単語を羅列すれば情報を得られると思ってしまう。
 古い図書館の蔵書検索を思い出して欲しい。きっと書籍名、著者、出版社などといったフォームが並んでいる。フォームを間違えたら0件と冷たく表示する。
 出版社欄に「夏目漱石」と入っていたら「著者検索したいのね」と察してほしいし、そもそも項目別のフォームを用意しないでほしい。高度な検索に慣れてしまったがゆえの要求は尽きることを知らない。
 今、大学の講義検索を作っている。事務職は講義番号で検索する。学生は講義番号なんて知らないので多くは講義名や教員名で検索する。そのため既存のシステムには、蔵書検索のように項目ごとのフォームがある。でも、スマホ時代にフォームがいくつも並んだ検索なんて使いたくはない。
 求められるのは、入力された言葉を自動で判別してくれる機能だ。
 しかし、システムの裏側にそれを実現する情報も機材もない。正規化すら不十分なデータベースがあるだけ。
 なのに結果だけ求められる。
 どうすれば良いのか?
 ぼくにできるのはアルゴリズムで高度な検索っぽい雰囲気を醸し出すことだけ。英数字だけの入力があれば講義番号検索だと判断する。日本語だったら講義名として検索して、結果が0件だったら教員の名字として再検索する。こんな方法を採用した。
 単純だが、対象が限られているせいもあり高度な検索をしている感じは出せた。
 そう悦に入っていたのだが『応用英語(佐藤クラス)』という講義(仮称)があったせいで困ったことになった。「佐藤」で検索するとこの英語の授業が引っかかってしまい、他の複数いる佐藤先生の授業が出てこないという問題に直面した。
 ぼくは悪くない。講義名に教員名入れた事務が悪い。もっと言えば、ありふれた名字で教員になった佐藤先生が悪い。