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老いた猛獣使い

by 唐草 [2023/07/16]



 我が家には数台のエアコンがある。それぞれの使用頻度はまちまちで、24時間フル稼働に近いものもあれば、昼間だけ使うもの、夜間だけ使うものもある。
 家電の寿命は、基本的に稼働時間と負荷に依存する。でも、それと同じぐらい製品個体ごとの当たり外れに左右されているようにも思える。
 今の家電は、極小の半導体からパワフルに回る金属製のモーター、そしてプラスチック製外装パネルに至るまで様々な素材でできたたくさんのパーツで構成されている。ひとつひとつの部品精度が高くても、部品点数が多ければ多いほどハズレパーツが紛れ込む可能性が高くなる。
 だが、逆に考えると奇跡的に大当たりのパーツばかりで構成された激レアな家電が存在しているかもしれない。もしかしたら我が家のエアコンの1つは、そんなURかSRなものかもしれない。
 なにせ、25年もメンテ無しで動き続けているのだから。この寿命の長さは、電気屋が感嘆の声を上げるほどのもの。
 近年のエアコンの性能向上を考えると、古いものを長く使うより買い替えたほうがコスパが良いかもしれない。しかし、我が家で最も稼働率が低いということもありズルズルと使い続けている。
 そんな長寿のエアコンだが、昨年の夏の終わり頃から少し調子が悪い。本体は問題ないのだが、リモコンの挙動が不安定になっている。
 以前、別のエアコンのリモコンが壊れたことがあった。電池を替えても、接点を修復してもダメという状況に陥った。不調の兆しがあれば学習リモコンを用意するなど対応できたかもしれないが、いきなり壊れたのでなんの手も打てなかった。
 リモコンは単体で買うと6,000円ぐらいとかなり高い。なので、リモコン操作は諦め、本体にある応急運転ボタンで数年間をしのいだ。
 今回も応急運転ボタンの出番だろうか?今回はエアコン設置位置が高いので、脚立に跨がらないとボタンに手が届かない。
 残念だが、リモコン故障だけが原因で買い替えになりそうだ。大きな本体ではなく小さなリモコンが壊れただけなのにという理不尽さを感じると同時に、リモコンって猛獣使いみたいなものだなとしみじみ思っている。