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視野より広い

by 唐草 [2023/07/10]



 自室に工事が入るので、PC周辺機器であふれる部屋を片付けた。片づけと言っても自室のものを隣の部屋に移動させただけ。収納の達人がぼくの行動を見たら「それは片付けではなく物体の移動でしかない」と叱りの声を上げるに違いない。
 がらんとした自室とは対照的に隣室は、リサイクルショップのバックヤードのように混沌とした状態になった。そんな部屋で目を引くのは、3台の液晶モニターのなにも映していない黒い画面。白いフレームのモニターのせいもあり、部屋に小さなブラックホールがあるようにさえ見える。
 その様子を見てしみじみ思うことがある。「もうサブモニターを使う時代じゃないな」と。
 ぼくの部屋から運び出された3台のモニターは、いずれも現役を退いたもの。メインモニターとして活躍した時期もあるが、より大きなモニターを買うたびに順にサブに回され活躍の機会を失っていった。
 以前にも書いたが、ぼくは熱狂的なサブモニター信者だった。モニターを物理的に分けることで役割を分ける使い方をしていた。しかし、先日27インチの大きなモニターを導入して以来、完全にサブモニターを使わなくなった。
 それは、27インチ画面の幅は視野より広いから。サブモニターを見るために首を大きく動かすのが無視できない肉体的疲労になるという事実がぼくの考えを改めた。
 この先、サブモニターを使うことは無いだろう。では、いつかサブモニターとして使うだろうと信じて取っておいた余剰モニターをどう扱うべきか?今となっては発色の悪い古く小さな液晶モニターでしかない。こんなもの売れやしない。廃棄しか道はないように思えるが、まだ映るものを捨てるのは気が引ける。今や逆にレアになった15pinアナログ入力もある。サーバ用に良いかもしれない。
 きっと明日には良い使い方が見つかるだろう。
 そう思ってモニターをキープし続けて10年が経過した。結局、使わないモニターが増えていくだけだった。このままだとぼくの部屋は液晶モニターにあふれる狂気の部屋になりそう。ペルソナ4みたいな感じ。あれはブラウン管だったけど。