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文明堂と同じ

by 唐草 [2023/07/17]



 QRコードでインターネットにアクセスする機会が増えている。それでも、karakusa-lab.comのようなドメインを見ない日はない。
 ドメインは、インターネットの住所と説明されることが多い。その認識で概ね間違っていない。
 だが、インターネットプロトコルの定義に沿えばインターネットの住所はIPアドレスだ。ドメインは、数字の羅列でしかないIPアドレスに対して人間が理解しやすいように後から付けたあだ名みたいなものだ。
 「港区芝公園4丁目2-8」と言われてもわからないが、「東京タワーの場所」と言われればなんとなく分かるのと同じようなもの。
 インターネットを使っているときの通信を詳細に見るとドメインが示すIPアドレスの問い合わせをしてからアクセスをしている。この問い合わせは、0.1秒にも満たない時間に自動で行われるし、その問い合わせ先すら自動的に決定されるので意識することはまず無い。
 だが、問い合わせ先を手動で設定することがある。
 このとき面倒なのは、ドメインの問い合わせ先をドメインで指定できないことだ。IPアドレスで指定する必要がある。
 192.168.4.87みたいな数字の羅列を覚えるなんて面倒なことはしたくない。それに覚えにくい数字で運営されているサービスなんて使おうと思えない。
 こんなワガママに対してGoogleが出した答は、8.8.8.8という覚えやすいIPアドレスで問い合わせサービスを運用することだった。下手なドメインより覚えやすい。
 これに倣って、他の企業や団体も1.1.1.1や9.9.9.9というゾロ目でサービスを提供している。数字を覚えるのが苦手なのに、頻繁に手動指定しなければならないぼくには本当にありがたい。
 覚えやすい番号を使うという発想は、電話が生まれた頃からある古い発想だ。カステラで有名な文明堂のCMソングにある「♪電話は2番」と同じ。
 通信の主役が電話番号からIPに変わり、内容も規模も爆発的に進化した。しかし、それを扱う人間の能力は未だに変わらない。そんなことを痛感させてくれるゾロ目IPアドレス。