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弱者の声に耳を傾ける

by 唐草 [2023/08/29]



 『STARFIELD』発売が近いからと購入を見送った『ARMERED CORE VI』。客観的に見れば買わなかったゲームでしかないのだが、ぼくには有象無象の購入しなかったゲームと同一視できない。
 9月に発売が集中したのが憎い。
 と先日書いたが、この弁は真実なのだろうか?自分を納得させるために嘘をついているように思えてきた。そう感じたのは、SNSや掲示板で語られるAC6の評判に目を通しているときだった。
 上級者たちは、SNSに何かを投稿する間も惜しんでプレーに勤しんでいることだろう。ぼくだってゲームにハマった時は、スマホやタブレットを脇に放ってゲームだけに集中する。もし、プレー中にネットを確認したのであれば、それは行き詰まった時。おそらく他の人も同じだろう。
 そんな自説を支持するようにネットには「ボスが倒せない」という話題が溢れている。初日には最初のステージのボスさえクリアできないという悲鳴にも似た叫び声がこだましていた。
 想像を超える難易度に対する悲痛な叫びを目にするたびに、ぼくは不思議と心安らぎを感じていた。気づけば弱者の叫び声を探し始めてさえいた。
 どうしてスケジュールを理由に購入を見送ったゲームに対して、そんな行動を起こしているのか?自分でも不思議だった。同時にそれが自分自身の嘘の綻びを見つけるきっかけでもあった。
 ぼくはゲーム大好き人間で時間さえあれば常にコントローラーを握っている。自分の力量をよく理解しているので、身の丈に合わない高難度のゲームに手を出さないように気をつけてもいる。ぼくはゲームを通じてラノベに描かれるような手軽な「俺つえー」を味わいたいのであって、ストレスを感じてまで死線を越えたいとは思わない。なにより死力を尽くしても、クリアできずに終わる可能性が高い。
 AC6を見送った本当の理由は、ここにある。死にゲーは好きじゃないし、ぼくは1,000回リトライしてもクリアできないかもしれない。これが偽りなき理由だ。
 だから、苦戦している弱者を見ていると自分の判断が正しかったと思える。ぼくのために皆、壁すら超えずに燃え尽きろ。