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終盤に基幹部刷新

by 唐草 [2023/08/09]



 ローグライクに手を出すインディーズゲーム開発者が多いのは、ステージを作成しなくて済むからではと踏んでいる。少なくともぼくは、それを理由にローグライクを選んだ。
 ハイラル平原のように広大な世界や、ナイトシティーのように立体的な街を作るのは難しい。ただ広かったり複雑だったりすれば良いわけではない。ゲームシステムと噛み合う適切な広さと複雑さが求められる。これは高いスキルを持った大勢が、試行錯誤しなければ生み出せない。
 そんなことは個人にはできない。だから、アルゴリズムと運任せでステージが生成されるローグライクに頼る。「素晴らしいステージが生成されるはず」と期待して自動生成にすべてを託している。
 今回の開発は、20年近く前に作った「ぼくの考える最強ダンジョン」生成アルゴリズムを現代に蘇らせることから始まった。蘇ったアルゴリズムが生み出す一期一会のダンジョンをベースに、そこを快適に動く仕組みや複雑さを加えるアイテムや罠を追加していった。
 ゲームの形が見えてきた今、これまで開発を支えてくれたダンジョン生成アルゴリズムにメスを入れる決断をした。
 アルゴリズムが1種類だと似たダンジョンばかり生成されてしまうという理由もある。同じ建築家がいつも似た建物を建てるのと同じように、理論が同じなら似たものが生成されてしまう。
 でも、見直しを決断したのはそれだけじゃない。
 先にも書いたように、昔のぼくが最強だと思ったダンジョンを生成するアルゴリズムを採用している。問題なのは最強であること。ダンジョンが広すぎるのだ。
 ラストステージなら最強アルゴリズムの広いダンジョンでも良い。でも、序盤には広すぎる。大勢の最初の死因がおしなべて餓死になる可能性が高い。
 最強は最強がふさわしい場面でのみ真価を発揮する。一丁目一番地が最強から始まるのは開発者のエゴ。要するにクソゲーだ。
 そうならないために最弱アルゴリズムを考え中。これがなかなか難しい。手加減を間違えると1本の道がいくつかの部屋をつなぐだけになってしまうからだ。せめて分岐はほしい。