by 唐草 [2023/08/28]
ぼくのようにサーバを管理する者にとって欠かせないソフトがある。それがSSHクライアント。コマンドで遠隔地のサーバにログインするソフトというのがシンプルな説明だ。
WebブラウザにChromeやSafariなどいくつかの種類があるのと同じようにSSHクライアントにもいくつかの種類がある。
macOSを使っているときは、OS付属のSSHクライアントを使っている。これは由緒正しいOpenSSHのクライアントで、Linuxに標準で入っているものと同じ。macOSがUNIX派生OSだと感じる要素の1つでもある。
一方、Windowsで使うSSHクライアントは、「これだ!」と言えるものがなかなか見つけられずにいた。
Windowsで初めて使ったSSHクライアントは『Tera Term』。初めて触ったソフトだったこともあり、かなり長い間にわたって相棒のように使い続けてきた。
だが、WSLが登場してWindows内でLinuxが使えるようになると状況は一変した。リモートログインするときだけ『Tera Term』に切り替えるのが面倒になった。気づけばすべてをWSL内で済ませるようになっており、『Tera Term』の出番はなくなった。
こうしてぼくにとってWSLは、SSHクライアントとしての役割を果たすようにもなった。別の見方をすると、1つのコマンドのためだけに仮想PCを使っているとも言える贅沢なやり方だ。
先日、いつものようにSSHを使ったら何かが違っていた。
違和感の正体は、ぼくの知らないSSHを使っていたことだった。Windows 10標準搭載のSSHを使っていたのだ。
これには驚いた。
WindowsにSSHが標準搭載されているなんて考えてもいなかったからだ。使ってみればそれで十分だった。今まで頑張って色々なソフトを探していたのに、十分なものは初めから手元にあったのだ。まるで理想の青い鳥を追い求めていたかのよう。
こうなったのは、WindowsにUNIX系のものなんて入っているはずがないという思い込みがあったから。Windowsのことを舐めていた。