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ヤギの気持ちで

by 唐草 [2023/08/16]



 最近のメールボックスは巨大なので届いたメールはすべて放置でいい。そう考えていたが、メールボックス再構築に思いの外時間がかかったので考えを改めた。
 容量の多さにかまけて放置するのはもう終わり。いらないメールは全部消そう。
 この方針を実施するにあたって最初に目をつけたのが、もっともメールが溜まっている仕事用アカウント。10,488通のうちどれだけ消せるだろうか?
 差出人やタイトルといった簡単なルールで消せるものから作業開始。
 広報課が発行する対外活動報告は全部いらない。件名に「ニュースリリース」とあるものと広報課のKさんの全体宛メールはいらない。次いでHさんが転送してくれるセミナーの案内も、期日を過ぎた今となっては不要だ。
 期日が重要なメールと言えば、工事やメンテの連絡がある。確実に不要だが、これを消すのには難儀した。作業内容によって発信者もタイトルもバラバラだからだ。
 次に目をつけたのがコロナ関連のメール。コロナで検索すると2020年の混乱がよく分かる。朝令暮改でマニュアルが更新されては、その都度メールが届いていた。最善を尽くそうとしていたことが送信履歴から見て取れる。でも、今となってはその必死さが空回りだったのが悲しくもある。
 五里霧中な状況で連発されたメールはコロナとの戦いの記録だ。とは言え、ぼくのメールボックスは、現代史の記録でも思い出アルバムでもない。振り回されていた担当部署にTさんに敬意を示しつつ削除。
 ここまではキーワードでメールを選別できた。でも、もう効果的なキーワードは思いつかない。メールを確認しながら消していこう。
 個別に見ていくと謎のアカウントを取得していたりと記憶にない過去が掘り返される。また、相手の無知に振り回された腹立たしい記憶が蘇ることもあった。
 確認してからの削除は非効率だが、不思議と消したという確かな充実感がある。消せば消すほど消したくなり、削除の基準がドンドン甘くなっていく。おそらく明後日には、童謡のヤギのように届いたメールは読まずに全部消すぐらいの基準になっていそう。
 残り9,258通。まだまだ消せそうだ。