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対猫の切り札

by 唐草 [2023/08/21]



 この夏はかなり暑い。影響は様々なところに現れている。例えば冷房の稼働時間。
 例年、夜は冷房を止めて窓を開けることが多かった。だが、今年は冷房なしでは寝られない日も多い。今のぼくはフルリモート体制なので24時間冷房稼働も珍しくない。
 冷房を効率よく利用するためにカーテンをしっかり閉めているし、部屋の引き戸も隙間なくきっちり閉じている。そんな節約術を快く思わない連中がいる。反エコ集団の正体は我が家を闊歩する猫たちだ。
 ぼくが締め切った部屋で作業していると、猫たちはなんの用があるのか知らないが勝手に引き戸を開けて部屋へ入ってくる。器用なことに、あの猫手で音もなく重い扉を開けるのだ。気づくと扉が10cmぐらい開いていて、部屋の冷気がダダ漏れで廊下の熱気が入り放題という最悪な状況になっている。それに気づくのはいつだって部屋が暑くなってから。これでは冷房効率は最悪。電気代をドブに捨てているようなものだ。
 猫が勝手に扉を開ける問題にどう対処すべきか?
 引き戸にダンパーを付けて猫の力では開けられないようにする。逆にスプリングを付けて開けても自動で閉まるようにする。こんなことを色々思案していた。しかし、どちらも大仰で、設置も手間だしお金もかかる。
 なにか簡単で安上がりな方法はないものか?
 思案の末にたどり着いたのは暖簾(のれん)だった。
 扉の上から下まで届く180cm以上ある長暖簾を引き戸のすぐ前に設置した。
 簡単な方法だが、効果は十分に出ている。猫がガラッと扉を開けても、隙間を暖簾が埋めてくれる。薄手の布一枚だが、扉が開いていても冷房が強くなったり部屋が暑くなることはなくなった。布が断熱しているのではなく、布が空気の流れを鈍くすることで熱の交換を防いでいるようだ。
 こうして、暖簾という最強の対猫防衛策を手に入れた。これは夏だけでなく冬も使える。1,800円した長暖簾の元を取れるほどの効果はすぐには期待できないけれど、ぼくが不愉快にならないという精神的安寧を手にできたのは大きな収穫だし、猫も今まで同様に自由気ままに部屋へ出入りしている。それを考えればコスパは十分。