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デジタルへの不信

by 唐草 [2021/01/14]



 コンピューターを使っていて一番イラついてしまう瞬間ってなんだろう?
 アプリの突然のフリーズ。勝手にアップデートして再起動を要求してくるOS。遅々として進まないダウンロード。パスワードを何度も求められる慎重すぎるセキュリティ。裏表の分からないUSBコネクタ。ハードに起因するものからソフトに原因のあるものまでさまざまだ。イラつく点を挙げていったらきりがない。今、これを書いている瞬間にもGoogle Chromeが再起動を要求してきた。
 もはやコンピューターは、多くの人にとってなくてはならない存在だ。少しぐらい人をイラつかせる要素があっても、それを我慢して受け入れないと仕事も勉強もできない。イラつかされることも少なくないが、それ以上に恩恵があるから我慢できるというのが多くの人の本音だろう。その姿は、容赦なく正論をぶつけてくるけど優秀な部下のよう。
 また、使っているうちに自分をイラつかせるポイントが分かってくる。この作業はクラッシュしやすいからまめに保存しよう。中断できない仕事があるから先にアップデートを確認しておこう。あのサイトからのダウンロードは遅いので寝ている間にやっておこう。こんな具合に人間が譲歩して小さな工夫を織り交ぜることでイライラを回避している。
 それでも、絶対に許せない瞬間が存在する。
 ぼくを最大限にイラつかせるのは、同じ操作をしたのに違う結果が返ってくるパターンだ。
 滅多に出くわすことのない問題だが、起こってしまうと原因の特定もできず翻弄されるだけになる。昨日はエクセルで140個ぐらいグラフを作ったいたのだけれども、あるシートのグラフだけ軸の添字が表示されないという謎の現象が起きた。同じ形式のグラフでも別シートだと何の問題もないので、なにが原因なのか予想すらできなかったし、回避策を見つけるにも30分もかかってしまった。
 コンピューターを信用できるのは、デジタルな仕組みのおかげで入力に対して決まった出力が保証されているからに他ならない。今回のように同じ操作に対して異なる結果が返ってきてしまうと、すべてを見直さなくてはならない。コンピューター(アプリ)への信頼が揺らぐ瞬間である。