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在宅の有給

by 唐草 [2020/04/15]



 フリーランスのときの報酬はどの案件も成功報酬だった。期日までに納品できれば、作業過程に関わりなくお金が振り込まれるという分かりやすい契約ばかりだった。だから期日までにどのように時間を使うかは、すべて自分の裁量次第。熱心に取り組みたい日は12時間以上働いてもいいし、休みたかったら平日だろうと休みにできる。もっともサボったツケは自分に返ってくるので油断はできない。ぼくは、このメリハリが好きだった。
 勤め人になってしまってからは、いくら裁量労働制で契約しているとは言え、フリーランスのときのように目覚めたときの気分で一日の行動を決めるなんてことはできなくなってしまった。なんだかんだで毎日出勤していた。
 コロナ対策の在宅勤務に移行することで、ぼくの生活様式はどう変わるのか自分でも興味があった。真面目に時間通り在宅での仕事に勤しむ同僚や上司のペースに飲み込まれて、日中はなんだかんだでPCに張り付いていることになるのか?それともフリーランスのときのように気ままに仕事ができるのだろうか?
 あと、もうひとつ気になっていたことがある。通勤していたら有給を取得したであろう事態に巻き込まれたらどうするのかということだ。自主的な休養の取り方に関しては、一切説明を受けていなかった。
 今日のぼくは、どうしても有給を取得したくなるような状況に置かれていた。さて、どうしたものか。
 もし、もっとも誠意ある(もしくは組織の犬的な)態度を示すのであれば、上司に「本日は対応できません」と連絡しておくべきだろう。だが、全員が在宅勤務している状況でぼくがPCの前にいないことに気がつく人がどれだけいるだろうか?提示連絡やビデオ通話による監視がないので、絶対にバレないはずだ。仮にメールで届いた仕事への対応が明日になったとしても、他の仕事とぶつかったんだろうぐらいにしか思われないだろう。状況は、ぼくに味方している。
 という訳で、今日は勝手に有給だということにした。ぼくのやり方はフリーランス式なのだ。そして、朝からずっと2013年のウェストバージニアを放浪している。リモートワークに移行しても『Fallout 76』の大型アップデート"WEATELANDERS"の配信を延期しなかったBethesdaに感謝。