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遺伝子の強さ

by 唐草 [2021/01/15]



 親戚の家で飼われているアメショ(アメリカンショートヘア)は、元気いっぱいの明るい性格の猫。ちょっと傍若無人なきらいはあるけれど、レアな訪問者であるぼくにも家族のように愛想を振りまく。飼いやすいと言われるアメショの血統に恥じない性格をしている。
 だが、残念なことに体に爆弾を抱えている。生まれつき心臓が弱く、自然の治癒は見込めないそうだ。生後1年なのに長生きできないのが確定している。さらに追い打ちをかけるかのように尿路結石まで発祥してしまったとの連絡を受けた。
 猫は尿路結石を発症しやすい。昔飼っていた猫も発症したことがある。25年ぐらい前は尿路結石を防止する餌がほとんどなかったため、バカみたいに高い外国製の餌を買うより仕方がなかった。でも、その後の目覚ましいペット業界の発展で状況は大きく改善した。ホームセンターで売られている普通の餌でも尿路結石対策を謳っている。ちなみに我が家で尿路結石を患った猫は、餌の進化に助けられ病を克服して20歳まで生きながらえた。
 今、我が家には片手の指では数えられないぐらい猫が暮らしているが、どの猫も健康そのもの。外に出していないので、怪我もしないし病気ももらってこない。避妊と去勢手術以外で病院にかかったこともない。近所の駐車場に撒かれた除草剤を舐めてしまってゲロを吐きまくったなんていうのは、もう昔話でしかない。
 健康で元気な我が家の猫は、すべて雑種。日本猫的な要素が強い丸っぽいものもいれば、シュッとした細めの中東テイストな猫もいる。でも、誰一人として親猫も誕生日すらも分からない野良上がりの雑種。
 性格はクソで飼いにくいことこの上ない(猫シェルターであまりに懐かないので、手術後に野に離すしか無いと諦めていた連中を引き取っている)のだが、体の丈夫さだけは圧倒的。先天的な病気を抱えていて、対処していたのに尿路結石になってしまった親戚の家のアメショとはぜんぜん違う。
 我が家の猫の遺伝子は、人が守った弱い遺伝子ではなく、自然を生き抜いてきた強い遺伝子。交雑によって生存競争に勝ってきた遺伝子だ。野良上がり、最強である。