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3倍の派手さ

by 唐草 [2023/06/26]



 ゲームを楽しくする要素はたくさんある。易しすぎず難しすぎない適度な難易度、次の展開を知りたくなるシナリオ、シンプルでも工夫できる奥深いルール、ファンを生み出す魅力的なキャラクター、心情を代弁してくれるBGM。どれも欠かせない。
 こういう花形の要素は話題にされることも多い。しかし、それらが揃っていても物足りないことがある。そんなゲームに欠けているのは気持ちのいいルック&フィール、つまり見た目と操作感だろう。
 ロードが長ければ、待たされてばかりで楽しくない。UIが使いにくいと誤操作につながる。そして、適切な音や見た目の反応がないと操作を実感できない。
 理想的なゲームがどういう要素を持っているかを理屈では理解している。だが、実現できるかは、まったく別の話。今、ルック&フィールで苦戦している。
 攻撃した際に、火花のようなエフェクトを出すことにした。デフォルメされた3頭身キャラの戦いなのでリアリティーはいらない。当たったことさえ分かれば十分だ。
 初めは当たった方向に頭ぐらいの大きさの火花がモーションと同じ0.2秒だけ散るようにした。エフェクトが出る位置や大きさは、静止画を見ながら決定した。そして、自信の持てるものができたはずだった。
 ところが、実際に動かすとエフェクトが小さすぎてほとんど気づかないレベル。また、向きを合わせたことで背面からの攻撃だとエフェクトがキャラの影に隠れてしまうという問題も発生した。
 このサイズでは、全然見えない。ならば、2割ぐらい大きくしたらどうだろうか?まだ小さい。では、もう2割増しにしてみよう。やっぱり、まだ小さい。
 そんなことを繰り返しているうちに初期サイズの3倍までたどり着いた。そして、ようやく視認できるようになった。エフェクトは0.2秒という短い時間しか表示されないので、大きすぎでやり過ぎなぐらいがちょうど良いようだ。静止画基準で考えたのは言語道断だった。
 繰り返し見ているうちに3倍も見慣れてきた。もっと大きく派手でも良いのかもしれない。ぼくは自分で思っているより派手好きなのかもしれない。