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さえずりが聞こえる

by 唐草 [2023/06/21]



 ぼくは、取り組む作業に合わせて使うコンピュータを変えている。ゲームを作ったりゲームで遊んだりするときはWindows、Web開発や事務処理をするときはMacというのが基本的な使い分けだ。昨日はMacで、今日はWindowsという感じで毎日使うコンピュータが変わるのが常。
 今となっては多くのソフトがMacにもWindowsにも対応しているので、OSの違いを意識する場面は少ない。できることならMacに一本化したいが、ゲームのことを考えるとWindowsを手放せない。むしろゲームを優先してWindowsに一本化するのが正解なのかもしれない。
 昨日までゲーム開発に集中していたので、1週間以上Macに触れていなかった。この状態が続けばWindowsに一本化できそうにも思えたが、やはりWeb開発をするとなると自身がネイティブにUNIX系サーバとして稼働するMacのほうが都合がいい。WindowsのWSLだと痒いところに手が届かないもどかしさがある。
 1週間ぶりにMacを使って驚いた。
 ファンのないコンピュータってこんなにも静かなものなのかと。
 先日書いたようにWindows PCは、排熱対策で勢いよく大型ファンをぶん回している。ファンそのものの風切り音もあるし、本体に共鳴するノイズもある。どの音もうるさいと感じるほど大きくはない。だが、使うPCを替えて自室に静寂が訪れたことで、初めてファンのうるささを理解できた。
 今日の静寂には驚きがあった。それは、何年か前に登山をしたときに街の喧騒が聞こえなくなったことに驚いたのとまったく同じ。不意の静寂が、日常の騒がしさを教えてくれる。
 ファンの音のない静かな部屋には、開け放たれた窓から様々な音が飛び込んでくる。行き交う車のノイズ、遠くに聞こえる話し声のざわめき、そして軽やかに鳴く鳥の声。ファンレスのMacが、ぼくを孤独な部屋の片隅から外へと誘ってくれたかのよう。
 もっとも聞こえている鳥の声は、チュンチュン賑やかなスズメとギーギーうるさいムクドリなんで優雅さの欠片もない。