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塩の魔力

by 唐草 [2024/04/07]



 2月頃から、小腹が空いたときにお菓子に手を伸ばすのではなくナッツを食べるようにしてきた。自分でも小っ恥ずかしいレベルで意識高めな生活改善だ。
 この食生活の改善が、どれだけの効果に繋がっているのかよく分からない。体重は減ってもいないし、肌のツヤが良くなったとも思えない。それでもナッツを食べる生活は続いている。
 スナック菓子や甘いお菓子を食べるよりも罪悪感が少ないのはいいことだ。でも、それだけでは意識の低いぼくが意識高めな食生活を続けられない。ナッツ生活を継続できているのは単純にナッツが美味しいからだ。
 これまで塩味のついたミックスナッツを買っていた。おそらく酒のツマミとして売られているのだろう。絶妙な塩加減が手を止まらなくさせる。だから、100gしか入っていない小さな袋は瞬く間に空になっていた。
 もっと大きな袋は無いだろうか?
 スーパーを探したら319gの大袋が売られていた。300gではなくて319gというのが中途半端で落ち着かないが、これまでの小袋よりもずっとコスパがいい。むしろ大袋であることに気を許して食べすぎてしまうのではないかという心配さえ浮かんだ。
 でも、それは杞憂だった。ぼくが重要なことに気づかず買ってしまったからだ。
 大袋のナッツは無塩だった。
 食べるとナッツ本来のかすかな甘みが口に広がる。塩は素材本来の味を引き出すと食通が言いがちだが、それは嘘だと確信した。これまでのナッツの味は半分以上塩味に支えられていた。
 無塩のナッツの味は地味だ。美味しいけれど後を引かない。4粒ぐらい食べればもう十分だと思える。そこに満足感はほとんど無い。
 つまり、2ヶ月続けてきたナッツをオヤツにした意識高めの食生活は、塩味に支えられていたと言えそうだ。やはり意識の低いぼくが、意識高い食生活を送ることなんて無理だったようだ。
 でも、この無塩のナッツは、後を引かない地味な味のおかげで食べ過ぎのリスクを下げている。体重を気にするのであれば、無塩ナッツが最適な選択なのだろう。そう理解しているが、なにか物足りない。塩味が恋しい。