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文字通りの台風一過

by 唐草 [2017/09/18]



 今回の台風は、関東に住むぼくにとっては急に来てあっと言う間に去っていった台風という印象しかない。
 ベッドに入ってウトウトしていたら急に風と雨脚が強まってきた。いや、この表現は正しくない。気が付いたら自宅が台風の風雨に包まれていた。そうとしか思えないほど何の予兆もなくいきなりやってきた。
 だから雨戸も閉めていなかった。ガラスに叩きつける雨音の大きさに危険を感じた。窓が割れて部屋が水浸しになるのは勘弁願いたい。慌てて雨戸を閉めるも、叩きつける雨が容赦なく部屋の中に吹き込んできた。雨戸を閉めた後もベランダの物干し竿を下ろすのを忘れていたことを思い出し不安な一夜が始まった。
 と思っていたら、すぐに雨音は静かになって気が付いたら雨戸を閉め切った真っ暗な部屋で朝まで爆睡していた。
 雨戸を開けると眩しい光が差し込んできた。目を開けていられないほどの強い光。眼を細くして徐々に光になれていくと、抜けるように青い空が広がっていた。
 これぞ、辞書に参考資料として掲載しても良いほど見事な台風一過の晴れだった。これまでの今年の台風は、通り過ぎてもスカッと晴れない台風が続いていた。台風一過という言葉も気候変動とともに消えてしまうのかと危惧していたが、どうもぼくの杞憂であったようだ。
 空が晴れているばかりではない。空気中に漂うチリやホコリも洗いざらい流してくれたのだろう。通勤列車からは、多摩の山並みがクッキリと見て取ることができた。双眼鏡でもあれば、木々の一本一本まで見分けられそうなクリアな山並みだ。まるで解像度が上がったかのように感じてしまうのは、職業病だろう。
 そして、多摩の山並みの奥には黒い富士山が控えていた。この季節に富士山が見られるのは、とても珍しい。台風の威力を美しい形で目の当たりにすることができた瞬間だった。

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