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事件の予感

by 唐草 [2017/09/11]



 事件の予感がする。パッと見ただけでは何の変哲もない住宅街の風景。毎日何の変化も無いように見えるありふれた光景の中にも小さな変化はある。雨戸の開き具合が変わったり、洗濯物が干されたり、ゴミ袋が置かれたりと人の息づかいを感じられる小さな変化がどこに見て取れる。
 そんな風景の中に、まったく変化がない物が混じり込んだらどう見えるだろうか?
 今、まさにコレをタイプしているぼくの仕事部屋から見える風景を写真に撮影して、この記事を読む方に見てもらっても何の異常も感じられないと思う。それぐらい普通の住宅街の風景が目の前に広がっている(巨大な亀の話はややこしくなるので触れないでおこう)。
 だがその風景には、毎日見ている者にしか分からない異常が潜んでいるのである。
 我が家の裏には、学生が多く住む小さな古いアパートがある。そのアパートの2階の西から2番目の部屋が、どう見てもおかしいのだ。ベランダにはたくさんの洗濯物が干されている。干された物から推測するにサッカーあたりのスポーツをやっていそうな男性が住んでいそう。ベランダの欄干には、布団も干してある。ゴミ溜になっているような気配は無い。身だしなみに気を配る普通の男性が住んでいそうに見える。
 でも、その判断は洗濯物に変化が見て取れればの話である。
 実は、かれこれ1ヶ月以上洗濯物に変化がない。夜になっても干したままだし、雨が降っても取り込む気配は無い。1日2日であれば、取り込むのを忘れて出かけてしまったとも考えられる。でも、もう1ヶ月、つまり30日以上干したままなのだ。これは、どう考えても異常である。
 日々変化をともなう生活感のある光景の中で、そこだけ何一つ変化しないベランダは不穏な空気を湛えている。家主はいったいどうなってしまったのだろうか?部屋で変死でもしているのではないだろうか?この季節に変死をしたら異臭が立ちこめてくることだろう。幸いなことにその気配は無い。
 だとしたら、事件にでも巻き込まれて家に帰れなくなってしまっているのではないだろうか?
 どう転んでも良い予感がなにもしない。特殊清掃の人がやってくるのもそう遠い話ではないのかもしれない。

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