カレンダー

2024/01
 
   
       

広告

Twitter

記事検索

ランダムボタン

コーヒーの単位

by 唐草 [2024/01/14]



 ぼくがコーヒー豆を買うときは決まって200gだ。それはどんな豆を買うときも、どんな店で買うときも変わらない。
 なぜ200gなのかと言えば、理由は単純。ほとんどの店でコーヒー豆は100g単位での量り売り。最小単位の100gではすぐに飲み切ってしまい頻繁に買いにいくことになる。300g以上買うといつも使っている保存ビンに入り切らないし、飲み切るまでに時間がかかり豆が酸化する。だから、200gなのだ。
 買ってきた200gの豆を保存ビンへと移すといつも思うことが2つある。
 1つは、産地や焙煎によって豆の色艶がまったく異なるということ。まるで油に漬けたようにツヤツヤなものもあれば、乾燥しきったようにカラカラのものもある。その差は似た種類の植物の種だとは思えないほど。
 もう1つは、ビンの満たされ具合。同じ200gを買っているもののビンの口からこぼれそうになる豆もある一方で、ビンの2/3をちょっと超えるかどうかぐらいまでしか満たされない豆もある。
 この違いは焙煎の影響だ。しっかり焙煎した豆は水分が抜けているので軽い。だから、同じ200gでも容積が多くなる。
 コーヒーを淹れるときは計量スプーンで豆の量を測る。つまり、重さではなく豆の容積を測っている。ということは、同じ200gの豆を買ってきたとしても容積の多い焙煎のきつい豆のほうが多くのコーヒーを淹れられる。
 このことを考えると、コーヒー豆を重量で量り売りするのはあまり合理的ではないようにも思える。歴史的に考えてみれば、穀物の量は重量ではなく容積で測ってきた。日本では米を枡で計っていたし、今でも米の量を表すのには、重量の「kg」だけでなく容積の単位である「合」や「升」も用いられている。
 だから、コーヒー豆も容積単位で量り売りしたほうが、淹れられる量の目安になって良いのではないだろうか?と思うけれど、コーヒー屋で「500mlください」と言ったら、ドリップ済みのコーヒーを買うようにしか思えない。コーヒー豆は最終的に抽出され液体になるという事実が、状況を複雑にしている。