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8巻と9巻

by 唐草 [2024/01/08]



 昨日一昨日は、マンガを読みふけっていた。読んでいたのは『ダンジョン飯』。アニメが始まったので、改めて1巻から最終巻の14巻まで一気読みすることにした。なお、アニメを見る気はない。
 『ダンジョン飯』は、先月中頃に約1年半ぶりの新刊が発売された。しかも、13巻14巻同時発売という暴挙だった。雑誌に最終話が掲載されてからかなりの間があったので、アニメにタイミングを合わせるために発売を延期したのだろう。1巻発売時から読み続けてきた単行本派としては、プロモーション優先であろう2冊同時発売は不満だった。
 それでも発売日の0時に電子書籍版を買って読んだし、物語の大団円には満足した。でも、前の巻が発売されてから長い間があったので細かいところはうろ覚えになっていた。
 というわけで1巻から読み直す必要を感じていた。アニメ化がそれを後押ししてくれた感じだ。
 読み直すと多少設定にブレがあるように感じる部分もある。それでも、メインテーマである「食は生者の特権」という部分は首尾一貫している。絵柄も1話以外安定しているので、マンガを読み返したときにありがちな「こんなんだっけ?」と首をかしげることもない。
 全巻読み終わった今、満足感と同時に喪失感も感じている。人気ドラマが終わった際に話題となるいわゆる「〇〇ロス」と言われるものだ。待ちわびた最終巻を先月読んだときは感じなかった。しっかり全巻読破したからこそ感じた喪失感なのだろう。
 物語は全編ギャグ要素多めに作られているが、進むにつれシリアスなテーマを扱うようになる。そのギャップに脱落した人もいると聞いたことがある。
 ぼくは前半よりもシリアスさを増した後半が好き。最終決戦手前の8巻と9巻が特に好きだ。ここから物語が主人公一味の物語から群像劇に変わっていく。物語の世界が静かながらもぐっと広がる感じが良い。
 もっとも印象的なのは、8巻に掲載されている第52話『ベーコンエッグ』。この話はバトルも料理もないが、静かにしっかり物語の根幹に触れる重要な一話。テーマがしっかりしていなければ成り立たない話だよなと何度読んでも感心してしまう。