by 唐草 [2022/08/28]
オンラインミーティング用という口実を用いて経費でワイヤレスイヤホンを買おうと目論んでいた。もちろんオンラインミーティングでも使うが、使用目的の98%は音楽を聞いたりゲームで遊ぶため。
経費で落とすには、監査を通過する適切な予算感が求められる。SONYやAppleのノイズキャンセリング機能のついた高級機は却下されるだろう。「令和最新版」と書かれているような得体のしれない安価な中華製品なら確実に経費で落とせるが、会社の都合に合わせて安物を買ってもぼくが満足できない。
ゲームに使えて経費で落とせる製品を探さなければならない。つまり、ミドルクラスで遅延の少ない品の発掘が急務なのだ。とは言え、実際の使用感はカタログからは分からない。使用者のレビューに頼るしかない。
こうして、ぼくはポータブルオーディオ界の入り口に立つことになってしまった。ほぼオカルトと同義のピュアオーディオ界よりはまともなのかもしれないが、ポータブルオーディオ界も門外漢からすると底なし沼の無間地獄にしか見えなかった。
イヤホンが23万円?ポータブルオーディオプレーヤーが40万円?想像していた価格と一桁違う。ハイエンドの世界は悪質な宗教のような札束が飛び交う世界だった。
恐ろしいことに一度ハイエンドの価格を知ってしまうと、最初に経費では落ちないと思っていた高級機種が安物に見えてしまう。調べれば調べるほど分からなくなっていく。エイジングとかは、オカルトにしか思えない。
それでも1時間も界隈をさまよっているとポータブルアンプぐらいは使ったほうが良いし、PC用にUSB接続のアンプを買うべきに思えてきた。
ここまできてようやく理解できたことがある。
Androidには独自の音響処理機構を備えた有償のメディアプレーヤーアプリがいくつかある。誰がこんなものを買うのか不思議で仕方がなかったが、今なら購入する理由が容易に想像できる。
音質という目には見えないけれどギリギリ数値化できそうな半分オカルトな世界は、ほんとに怖い。沼にハマるのはイヤなので令和最新版で手を打とう。これが財布を守る最善手。