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楽しむポイントを

by 唐草 [2022/06/07]



 昨晩20時頃にテレビをつけたらサッカー中継をやっていた。そう言えば、数日前にブラジルとの国際親善試合が開催されるというニュースを見た気がする。まさか月曜日の晩だったとは!
 試合の存在すら知らなかったのに日本対ブラジルという好カードにリモコンを握る手が止まっていた。試合は前半終了間際でスコアレスドロー。ブラジルが日本ゴールを狙っていた。見始めるには、いいタイミングだ。
 ところが、前半終了のホイッスルが鳴る前にぼくはチャンネルを変えていた。
 数分見ただけでいたたまれなくなるほど両チームの勢いが違ったからだ。ゴールこそ割られていないが、試合と呼ぶにはあまりにも偏った展開だった。
 「こんなに差があったら見ていて楽しくない」と言うぼくをサッカーをほとんど知らない家族は不思議そうに見ていた。ぼくもサッカーに詳しいわけではないが、それでも目の前の試合が一方的なことは分かる。
 そこで、ぼくが何に注目して一方的な試合だと判断したかを説明した。するとサッカーは手を使ってはいけないことぐらいしか知らなかった家族も、試合の不均衡さを理解してくれた。
 ぼくが説明したのはルールではない。サッカーの指標の1つであるボール支配率をさらに噛み砕いたものだった。
 どちらのチームのゴール前が長く映っているかを見れば、両チームの実力差を計ることができると説明した。テレビには、好セーブを繰り返す日本のゴールキーパーばかり映っている。おかげですぐに試合の状況を理解してもらえた。
 このお手軽解説は、ぼくにある閃きを与えてくれた。
 スポーツ観戦を楽しむには、ルールを理解するよりも大切な視点があるという考え方だ。オフサイドを理解するよりも、観戦のツボを知っている方がずっと楽しめる。
 スポーツのルールは競技者のものであって、ぼくら観戦者のものではない。そんなあたりまえのことに気づいていなかった。詳しく見るより、楽しく見るほうがずっといい。
 きっとスポーツ観戦以外でも同じようなことがあるはず。それに気づければ、なんだってファンを増やせるに違いない。