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ホテルってスゲーな

by 唐草 [2022/06/13]



 先週末、高級ホテルへ行く機会があった。慣れない場所なのでファストファッションのジャケットでは門前払いされるのではと緊張していた。そんなことに緊張するなら初めからちゃんとした装いをすればいいのでは?と疑問を呈されそうだが、残念ながらそのジャケットがぼくの一張羅なのだ。
 この手の高級ホテルは、宿泊場所を提供する以外にも、冠婚葬祭やパーティーのための催事場という役割もある。今回は後者のほう。ぼくにとって重要なイベントだったが、詳細は伏せたい。厚かましくもタダ飯を食らうためにホテルへ行ったと思っていただけるとありがたい。
 初めて訪れた高級ホテルは、ぼくにとって小さなワンダーランドだった。15年ぐらい前に仕事をしていた斜向いのビルからホテルを眺めていたときは、こんなにも知らない世界が詰まっているとは想像もしていなかった。しかし、その驚きは必ずしもポジティブなものだけではない。時代の負の部分が落とす影にも驚くこととなった。
 ホテルへの入館は、ドレスコードの心配から裏口を使った。裏口と言っても、うらびれた雰囲気ではなく落ち着いた明かりに満ちていた。でも、夕食時の催しが始まるいい時間だと言うのに人の気配は全然なかった。タクシーが停まっていなければ、裏口を締め切っていると勘違いしそうなほどの静けさだった。
 これもコロナの影響なのだろう。外国人観光客受け入れ開始を告げるニュースを見ていたが、賑やかさには程遠いというのが現実のようだ。
 静かな館内をキョロキョロと見回しながら進み目的のホールへと向かった。場馴れしていないのがバレバレだ。
 会場入り前にトイレに寄る。そして、洗面台から流れるのがお湯であることに感激する。1時間半後にまたトイレに行ったら洗面台横のゴミ箱が空になっていることにひどく驚いた。あぁ、気配りが異次元だ。トイレだけでもホテルってスゲーなと心から感心してしまった。
 なお、ビュッフェで張り切っていたのは、フードロスへの配慮であり、豪華な料理を目の前にして食欲を抑えられなかったわけではない。断じて違う。