by 唐草 [2021/06/21]
我が家のPS3は、3年以上使われずにテレビ台に置かれていた。片付け名人には容赦なく「放置してるなら捨てろ」と宣告されそうだけど、ぼくはそうしなかった。これはぼくにとって放置ではない。映画を見る日に備え大切に保管しているのだ。
だが、忍び寄る経年劣化の魔の手には逆らうことができなかった。せっかく映画を楽しもうと思ったら、故障を告げる警告ランプを光らせるだけの塊になっていた。ここまでが昨日の話。
10年という歳月のせいなのか、それともPS3の設計不良なのかはわからないが、同様の問題に直面している人は少なくないようだ。ネットには強引にPS3を蘇らせる方法が紹介されている。その内容は基本的にどれも同じ。
PS3を無理やり温めて、欠けたハンダを溶かすという荒治療だ。
ドライヤーで熱風をPS3本体に送り込むというのが一番多い。この方法だと本体を分解する必要もない。とにかくお手軽さを前面に押し出したやり方だ。でも、この方法だと熱で本体が歪む。なによりドライヤーの温度ではハンダは溶けない。このやり方は熱で本体を歪ませることで接触が悪くなっていた部分が偶然つながるのに賭けているだけなのでは無いだろうか?映りの悪い古いテレビを叩いて直すのより乱暴だ。修理とは呼べない。
ぼくはもっと修理らしい方法を選んだ。直らなければ捨てるだけなので躊躇なくPS3を分解した。今、ぼくの机には基盤むき出しのPS3が鎮座している。あとは、ヒートガンでCPU付近を炙るだけ。これなら熱する範囲は最小で済む。
過激な人々は200℃のオーブンで基盤を温めるそうだ。これなら家庭で簡単にできるが、余計なところまで溶けてしまいそうで怖い。
堅実な方法を選んだのだが、ひとつ問題がある。ヒートガンの工面だ。今回1のためだけに250℃まで出せるヒートガンを買うのはバカげている。そのお金でブルーレイプレーヤー買ったほうが賢い。それは自分でもよくわかっている。
でも、それじゃダメなんだ。今のぼくは、思い出の品をDIYで直すという遊びにチャレンジしているのだ。