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10万人に1人の難病

by 唐草 [2021/06/24]



 芸能ニュースで「俳優の〇〇さんが、10万人に1人の難病を発症したため活動を休止した」というような話を何度か聞いたことがある。芸能人の名前も症例の少ない病名も記憶には残らないが、10万人に1人という表現だけが妙に脳裏に残っている。
 またSNSでは、10万人に1人の難病を患ってしまった人が状況を報告していたり支援を求めるために声を上げているのを見たこともある。理解のないぼくにとっては、見知らぬ人が見知らぬ病気を患っているというとらえどころのない話に聞こえてしまう。心に残るのは10万人に1人という稀少さのアピールだけ。
 10万人に1人というのは、病気であれなんであれ相当珍しい確率だろう。幸いにもぼくの身近な人でこういう珍しい病気に罹ってしまった人はいない。それもそのはず、日本全体でも1,200人ぐらいしかいない計算になる。ぼくの狭い交友関係では起こり得ないぐらいに低い確率だ。
 宝くじと比較してみようと思っていろいろ調べたら、年末ジャンボプチの1等1,000万円の当選確率が1/10万だそうだ。年末ジャンボプチなんていう宝くじの存在も知らなかったし、このくじは宝くじの中では期待値が高いものだなんて話も知らなかった。1等1,000万円を当てたなんて話どころか、噂さえ聞いたことがない。
 これらの数字を並べてみると、10万人に1人というのは体感的な確率からすると「ありえない」と同義だと言っても過言ではない。
 それなのに10万人に1人の病の話は何度も聞いたことがある。もちろん分母が日本全国なので確率は低くても絶対数は多くなる。とは言え、そんなレアな現象が同じくレアな存在である芸能人に降りかかるなんて天文学的な確率になるのではないだろうか?
 なんて考えていたのだけれども、自分が重要なことを見落としてたことに気がついた。
 10万人に1人の病気は、何種類もあるという事実だ。ひとつひとつはレアだけど、レアの種類はたくさんある。難病への理解を深めるためにガチャに例えてほしいと思うのは不謹慎だろうか?