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封書を送る

by 唐草 [2024/02/21]



 スマホが古いせいで、ぼくはe-Taxを利用した電子確定申告を利用できなかった。だから、従来どおり国税庁のWebアプリで印刷用PDFを作った。印刷は済んだので、あとは細かな数字がズラッと並んだ数枚の紙を最寄りの税務署に送付するだけ。
 そんな最終ステップで、またしても躓いてしまった。
 紙束でちょっと厚く、そして重くなったこの封筒を郵送するには、いったいいくら掛かるのだろう?普段自分で郵便を出す機会なんてないので今の郵便料金が分からない。消費税が上がったことで郵便料金が高くなったこともあったし、近々値上げも予告されている。時価のように刻々と郵便料金が上がっていることは知っているが、具体的な数字は何も分かっていない。だから、どれだけ切手を貼れば良いのか皆目見当がつかず、封筒を握る手が止まってしまったのである。
 スマホが古いことで最新システムを使えず門前払いされたのを皮切りに、最後は郵便料金を把握していなかったことで躓く。もう、ぼくはまったくと言っていいほど時代についていけていない。
 ネットで検索すれば郵便料金はすぐに分かるだろう。とは言え、値段を把握してその分の切手を買って投函するぐらいなら、直接郵便局に足を運んで窓口で対応してもらったほうが早いし確実だ。幸いなことに我が家はコンビニよりも郵便局のほうが近い。
 という訳で、自分で何かを調べて判断することは完全に放棄して、すべてをプロである郵便局員に委ねることにした。
 今回の封書は紙が多かったことと、糊がなくなったので両面テープを使ったことで重量がかさんでいた。料金は想像よりも10円高い94円だった。素人判断で適当に切手を貼らなくて正解だった。
 さて、次に手紙を出すのはいつになるだろう?
 きっとその時も今日と同じように郵便料金が分からないことに気づき、そして今日と同じようにまっすぐ郵便局へと向かうはず。だから、ぼくはこの先の人生で切手を買うことはないだろう。それどころか切手を貼ることすら無いだろう。
 もう切手の裏をちょっと濡らして貼り付けるあの独特な体験ができないかと思うと少しだけ寂しい。