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沈黙の日々

by 唐草 [2024/02/05]



 先週末からろくに喋れない状態が続いている。比喩でも何でもなく実際に喋るのが困難なのだ。その原因はおそらく口内炎。
 どうも舌の裏の右奥付近に大きな口内炎ができているようだ。自分のことなのに伝聞系で書いたのは、場所が場所だけに目視できないから。舌の裏の奥を確認するには、大きく口を開けて鏡を覗き込むだけでは足りない。歯科医が使う小さな鏡が必要だ。
 口内炎は口の色々なところにできるけれど、今回のように舌の裏に大きなものができたのは初めて。舌は敏感なせいか同じ口内炎でも痛く感じる。今回できた場所は、喋ると動く舌なのが災いしている。ちょっと声を出すだけで一音一音違った痛みが走る。だから、極力喋らないようにしている。
 しかし、喋らなくても痛い。腫れた患部が口の何処かにぶつかっているからだろう。痛みを減らそうと楽な舌の位置を考える。だが舌の位置は「瞬きのペース」や「息をする鼻の穴」と並んで考えるほどドツボはまる。結局、舌の初期位置を見失うだけで何の緩和にもならない。それでも考えるのをやめられない。
 口内炎の際の食事は厄介だ。不幸中の幸いにも舌の裏なのでうまく食べれば酷くしみることはない。それでも舌を気遣いながらの食事は半分ぐらいのスピードになる。そして楽しくない。
 それでも起きているときはまだいい。PCに向かったり、ゲームに集中していれば痛みの感じ方は半分ぐらいになる。だが、気を紛らわせるものがなくなると途端に全神経が痛みに向かう。
 そのせいで全然寝られない。口内炎でロキソニンを飲む決意をしたのは今回が初めて。それでも痛みで夜中に数度目が覚める。口を開けて傷口が乾燥するのが原因のようだ。マスクをして寝ているけれど、無意識のうちに外している。
 一番痛いのは、うがいで水を吐き出す時。舌をすぼめて口から水を出そうとすると涙が出るほど傷口が痛む。だから、口を開けて水が自然に流れるのに任せるしかない。おそらくその姿は、ホラー映画でゾンビが口から血を流すのにそっくりだろう。ぼくが流しているのは涙だけど。
 あと数日はこの痛みと戦う沈黙の日々が続くだろう。