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どっちだか分からない

by 唐草 [2018/04/25]



 もう、ダメかもしれない。頭の中が腐ってしまって、ものごとを判断できなくなってしまったいるとしか思えないことが続いている。かなり深刻な問題である。
 エレベーターの「閉じるボタン」と「開くボタン」の識別ができなくなってしまっているのだ。
 先日、エレベーターに乗ろうとダッシュしている人が見えたので開くボタンを押したつもりだった。でも、実際に押していたのは閉じるボタン。走ってきた人を見事に扉で挟んでしまった。エレベーターに飛び込んできた彼も、よもやパネルに手をかけた人が閉じるボタンを押すなんて想像すらしていなかっただろう。コントのような見事な挟まりっぷりだった。すまぬ、名も知らぬ人。
 また昨日は、ぼく以外の乗客がエレベーターから降りたので閉じるボタンを押したつもりだった。それなのに一向に扉が閉まる気配がない。押し損ねたのかと思ってもう一度押すが反応が無い。自分の指が置かれているボタンをよく見たら開くボタンだった。誰もいないのに開くボタンを連打していたわけだ。エレベーターの監視カメラからぼくの行動を見ていたら、見えない誰かを乗せようとしているように見えたことだろう。ホラーである。
 とっさの押し間違いなら誰にでもある。ただ、上に挙げた2例はじっくりとボタンを見た上で間違えているのだ。ここのところこのミスを立て続けに犯している。しかも、どこのエレベーターでも間違えてしまう。特定のモデルのデザインに起因する問題ですらない。
 三角形の向きを見れば、どちらが開くボタンで、どちらが閉じるボタンなのかはすぐに判断できるはずだ。三角形が外を向いて尖っている方が開くで、内を向いている方が閉じるである。そのイメージは明確に頭の中に存在している。でも、現物のボタンを目にすると途端に判断を誤ってしまう。迷って間違えるのではない。確信して違う方を押してしまうのだ。
 故にどう考えても、ぼくの頭の中の回路が壊れてしまったとしか思えないのである。少し不安である。しばらくは階段を使った方がいいのかもしれない。