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パブリックウォール

by 唐草 [2024/01/17]



 街を歩いていると選挙の時期でなくても政治家や政党のポスターが貼られていることがある。近所にも常に特定の政党のポスターを掲示している個人宅がある。
 政治関連のポスターを自宅に貼っているのは、その政党の熱心な支持者だからだろう。とは言え、いくら個人的に政党を支持しても、それだけではポスターを手に入れられはしない。アイドルや人気スポーツ選手のポスターとは異なり、一般の店では扱われていないからだ。
 政党や政治家のポスターを手にいれたかったら支持政党を言葉だでけでなく金銭的に支持する必要があるのだろう。ようするに党員にならなければポスターを入手するのは困難だと思われる。
 住宅街の個人宅の壁に貼られているポスターは1つの政党だけというパターンが多い。だが、人通りの多い道沿いにある中小企業の壁を眺めてみると事情は少し複雑だ。
 散歩でよく通る公園の向かいにある小さな会社の壁には、野党のポスターがズラッと並んでいる。政治活動に熱心な会社なのかもしれないし、人目につく好立地なので政党がポスター掲示を頼んでいるのかもしれない。事情は分からないが、ポスターを眺めればその会社の政治志向が窺える。
 だが、常に貼られているカラフルなポスターはもはや街の一部。高架下の落書きと同じように、何かカラフルなものがあることは理解できても何を訴えているのかに気づくことはない。
 野党支持の会社から200mぐらい歩くと、またしてもポスターだらけの会社の壁が見えてくる。こちらの壁は更にカラフルだ。
 じっくりとポスターを眺めたところ驚くべき事実が明らかになる。
 与党と野党のポスターが交互に並んでいたのだ。
 この会社の政治ポリシーは何なんだ?社内がねじれて与野党支持対立が起きているのだろうか?
 私有地の壁とは言え公共の場に面しているものだ。公平に与野党のポスターを並べることこそ社会的責務を果たしていると言えるのかもしれない。
 唯一気になるのは、節操なくポスターを貼っている会社が古紙リサイクル業者だという点。最終的に会社の資財になるものなら何でも誰でも大歓迎なだけかもしれない。