by 唐草 [2022/11/07]
職場から節電を要請するメールが届いた。メールによると諸物価高騰のあおりを受けて今冬の電気料金が、昨年と同じ消費量なら最大3億円ぐらい上がるという試算になったらしい。なので関係者ひとりひとりの節電が重要とメールは結ばれていた。
トータルの電気代が3億円でも個人感覚だとびっくりだが、値上げ分だけで3億円とは想像を遥かに超えていた。全国に複数の事業所があり、のべ数千人の人が関わる組織となると電気料金だけでもとんでもない値上げになるようだ。
メールは「節電せよ!」という掛け声にとどまらず、具体的な行動方針も記載されていた。「照明をこまめに消す」、「ウォームビズ推奨」、「暖房の温度を上げるよりひざ掛けを使う」、「2フロアの移動はエレベーターでなく階段を使う」といった感じ。家庭でもできることから大きな建物ならではのことまで色々書かれている。節電要請への本気度がうかがえる。
来年春に契約を解除する予定なので、「組織の懐事情なんて知ったこっちゃない」というのが率直な感想。それに節電の一環で温便座がオフにされたのには腹を立てている。
こんなぼくだけれども、実はかなりマジメに節電に協力している。
部屋で稼働させているPCは、仮想化を進めることで6台から2台まで減らした。NASも止めてUSB接続のSSDでバックアップを取っている。PC関連の消費電力は半分まではいかないけれど3割ぐらいは減らしたはず。
要請に従いエレベーターの使用も減らしているし、エアコンの暖房温度も24℃から22℃へ下げた。換気のためのサーキュレーターも止めた。
なぜ近々辞める予定の組織のために節電協力しているのか?
「地球規模の環境対策の一環と考えているから」
なんて言うつもりはない。ぼくがそう言っても偽善どころか嘘でしか無い。もっと単純な理由だ。
節電のための工夫が楽しい。この一言に尽きる。
薄皮を剥いでいって限界ギリギリを攻めるような感覚で節電を楽しんでいる。それに普段はケチな振る舞いだと言われていたようなことが、急に肯定されるようになったのも気持ちいい。
ケチが正義の貧しい冬の到来だ。