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3倍の赤いヤツ

by 唐草 [2019/07/21]



 今は、日本にいながらにして多くの中華料理を食べられる。どれが上海由来で、どれが広東に根がある料理だか知らないが、十把一絡げに中華料理として舌を楽しませてもらっている。この状況を中国の方はどう思っているのだろうか?海外の日本料理店が、ジンギスカンとお好み焼きとチャンポンを同時に提供しているのを見たら多くの日本人が強い違和感を覚えるだろう。そんな違和感を日本にやってきた中国の方は感じているかもしれない。
 このように食文化の行き違いが起きていそうなことは薄々気が付いているが、今日は大雑把な認識のまま中華料理の話を進めていきたい。
 一番好きな中華料理はなんですか?と問われたら、即答できる。迷わずに「麻婆豆腐」と答えるだろう。
 麻婆豆腐は人気の高い中華料理だろう。専門店だってあるし、様々な食品メーカーから麻婆豆腐の素が売られている。辛い味でご飯が進む庶民的な料理だというのも愛されているポイントだろう。
 でも、麻婆豆腐の素でぼくを満足させてくれるものは少ない。唯一及第点を与えても良いと思っているのが、CookDoの四川風麻婆豆腐だけだ。しっかり辛いのは、これしかない。あとは日本人好みの甘辛に仕上げられているので物足りない。どの商品も唐辛子ではなく山椒が足りないのだ。ぼくは追加で山椒を振らないと満足できない。
 数ある麻婆豆腐の中で一番ぼく好みなのは、成城石井のお総菜の麻婆豆腐である。これは唐辛子の辛さよりも山椒の辛さが勝っている数少ない麻婆豆腐。鼻に抜ける山椒の香りが食欲を高めてくれる。ぼくにとっての理想の逸品である。
 成城石井のお総菜はお値段がやや高いが、日本人向けにマイルドにしていないパンチの効いた本場風の味付けの品が多い。この麻婆豆腐もそんな品なのだが、どういう訳か麻婆豆腐だけは通常のパンチで満足していないようだ。山椒の量が3倍になった「しび麻婆豆腐」とかいうクレイジーな商品が存在している。
 ノーマルでも山椒が多いのに、それを3倍にするなんて正気の沙汰ではない。あきらかにぼくと同じ山椒ジャンキーの仕業である。先日食べたのだが、一口食べただけで商品名の「しび」が何を意味しているか理解できた。舌が痺れるという意味だと身を持って確信したのである。
 山椒ジャンキーのぼくでも舌が痺れるほどの山椒は初体験だった。もはや常軌を逸した山椒量である。こんなクレイジーな商品を市販しようと思ったいかれた担当者に心からの賛辞を送りたい。もう普通の麻婆豆腐では満足できない体になってしまった。