by 唐草 [2018/06/24]
ぼくは、ベッドをソファーのように使っている。ソファーベッドを使っている訳ではない。文字通り寝るためのベッドをソファーとして使っているのだ。
もちろん、ベッド単体ではソファーにならない。ソファーとして活用するために枕を含めて4つのクッションを置いている。クッションをうまいこと壁際に重ねることで背もたれを作ってソファーとして使っているのだ。
ただ、今日のように蒸し暑い日にクッションに囲まれているのは快適とは言い難い。ハッキリ言って不快である。特に背もたれの中心を担っているクッションは、起毛の化繊のカバーをしている。ぬいぐるみのような肌触りのこのクッションは、この季節には暖かいを通り越して暑い。ぼくの背中から出るすべての熱を吸収して、そのエネルギーで発熱しているかのように熱い。
そこでぼくは考えた。
触るとひんやりする素材でできたクッションカバーに交換すれば、夏にふさわしい快適なソファーを構築できるのではないかと。
自分の賢さに驚いてしまうようなクールな発想である。
冷感シーツの性能に満足しているニトリの製品ライナップを確認してみた。
ところが、残念なことに冷感クッションカバーは売られていなかった。無駄に商品ラインナップが厚いニトリでさえも扱っていないのか。ひんやりするクッションを求めているぼくは異端なのだろうか?それともニトリですら気が付いていないビジネスチャンスの芽を見つけてしまったのだろうか?
全然、そんなことは無かった。ぼくが異端な訳でも先端な訳でも無かった。ニトリの方が商売上手だっただけだった。
冷感クッションは、カバー取り替え不可という形で売られていた。ぼくのようにクッションのカバーを変えることでオールシーズン乗り切ろうとするケチなお客を許さない隙のない攻め方である。ぼくの完敗だ。
早速、店舗に赴いた。
カバーの図柄が3種類ほど用意されていたが、ぼくの心を射止めたのはひとつだけだった。シロクマ柄だ。かわいいは正義である。ただ、夏が終わる頃にはぼくの汗やら何やらを吸い取ってシロクマがグリズリーみたいな色になっていそう。