by 唐草 [2023/05/27]
メアドは、どんなに平凡に見えるものであれ唯一無二な存在。これまでに星の数のように多くのメアドが発行されてきた。中には一等星のように輝かしい活躍をしているものもあるだろう。その一方ですでに輝きを失ったものも数多くあるはずだ。
ぼくにも、2度と使うことがないだろうと思っていたメアドがあった。だが、その予想はわずか2ヶ月で覆されることになった。
その2ヶ月間には、いろいろな偶然が重なった。さっさとぼくのメアドを消去したい人もいたと思う。でも、どういう風の吹き回しかぼくのメアドは2ヶ月放置され、そして消されたと信じていたぼくの元に返ってきた。
2ヶ月ぶりに受信したら297通もの未読メールが溜まっていた。
メーリングリスト経由で届いたものが多くを占めているようだが、ぼくが受信しなくなったことを知らない方からの私信に近いメールも含まれていた。
仕事で使うメールアドレスなので、未読が溜まっているとどこまで読んだか把握できなくなる。だから2ヶ月分の溜まったメールをすべて既読にしたい。一括処理できればいいけれど、目を通したほうが良さそうな雰囲気のメールも混じっている。明らかに宣伝だったり自動発信の通知だと確信できるもの以外には、目を通さざるを得ない状況だった。
忙しかった頃、1日に100通近いメールに対応したこともある。きっと300通を読むだけなら1日もあれば十分なはず。
メールを順に開いて、死んだ魚のような目で最初の3行だけを読む。自分に直接関係がなかったらそれで終わり。そんな雑さでメールを読んでいった。
読み始めた翌日に最後の一通を読み終えてもなんの達成感もなかった。ただメール一覧から未読マークが消えただけでしかなかった。
ところが、メールソフトを見るとまだ19通の未読メールが残っていることになっていた。しかし、メール一覧に未読マークが付いたメールはない。未読を条件に検索しても何も出てこない。
それなのに19というバッジが輝いている。いったい何をカウントしているのだろう?ぼくには見えない幽霊からのメールでも届いているのだろうか?