by 唐草 [2020/12/23]
中高生の頃、定期試験ごとにひどい口内炎に悩まされていた。ボコッと大きなクレーター状の炎症が唇の裏にできて熱を持って腫れていた。ひどいときは複数できてしまって固形物を食べるのが辛かった。そのせいもあって定期試験期間中は、おじやのような流動食に近いものばかり食べていた。今となっては、懐かしくもあり、恥ずかしくもある思い出だ。
当時ぼくの口に大きな口内炎ができてしまったのには、2つの理由がある。今になって考えればとても単純な理由だ。1つは試験のストレス。普段ゲームで遊ぶばかりで宿題をこなす以外に全然勉強していなかったぼくにとって成績を決定づける試験は、あまりにも過酷だった。サボっていたツケを一気に取り戻そうと試験数日前から勉強を始めるも何もかも手遅れだった。終わらない試験範囲に絶望してキリキリと胃を痛めていた。これが精神的ストレス。
2つ目の理由は、一夜漬けによる生活リズムの乱れだ。徹夜まではいかないが、いつもだったら寝ているであろう深夜まで勉強を続けていた。この事によって寝る時間が遅くなるばかりか、睡眠時間そのものも短くなってしまった。こちらが肉体的ストレスとなった。
こうして精神的にも肉体的にもストレスを抱えたぼくの体はバランスを失い、決まって口の中の小さなキズが肥大化した。口内炎は、健康が危機に瀕していることを告げるサインだったのかもしれない。
大学生になってからも口内炎に悩まされることは多々あったが、中高生の頃のように深刻な問題にはならなかった。神経が図太くなって精神的ストレスに強くなったせいか、アンバランスな思春期を抜けたからかは分からない。でも、こういう強さが大人になったということなのかもしれない。
とは言え、今でも口内炎ができることがある。そして、できるときは決まって夜ふかしを続けたときだ。
この前の週末、連日深夜までゲーム『サイバーパンク2077』で遊んでいた。その結果、ぼくの口の中には小さな口内炎が表れた。
もういい年したオッサンなんだから若者みたいに徹夜でゲームなんてするなという体からの警告だろう。まさか進行不能バグへの精神的ストレスの結果じゃないよな…。