by 唐草 [2023/05/24]
ぼくにとってラーメンはインスタントな存在。家で簡単に食事を済ませたいときの選択肢でしかない。だから、外食の選択肢としてラーメンが挙がることはない。ラーメン専門店には20年以上入っていない。
世間にはラーメンに対して情熱を抱く人が少なくない。麺やスープへのこだわりがあったり、SNS映えしそうな過激な盛り付けなどを求めたりと様々な楽しみ方があるようだ。でも、ぼくにその情熱は理解できない。
ぼくは、インスタント麺かカップ麺を啜れれば十分。とは言え、どうせ食べるのなら美味しく食べたいとも思っている。ラーメンへの情熱はないが、食事への関心がないわけではない。
普段食べているのは、スーパーのプライベートブランドの安価なラーメン。それらを製造しているのは、日清や東洋水産といったインスタント麺の大手。きっと価格を抑えるために様々な工夫をしているのだろう。
だから、メーカーの名を冠している製品と比べると、なにか物足りない。コストカットの犠牲になっているものはなんだろう?
先日、ちょっと奮発していつもより高いインスタントラーメンを買って、ラーメンソムリエのつもりで食べて味の差に迫ってみた。
麺も違ったけれど、それ以上にスープの差が大きい。粉末スープと液体スープの間には、簡単には超えられない深い谷と高い壁があるようだ。
では、谷や壁の正体はなんだろう?
おそらく油とニンニクだ。どちらが谷でどちらが壁かは分からないけれど。
この知見を活かして、今日はいつもの粉末スープのインスタントラーメンを作る際に一手間加えた。ゴマ油を垂らし、すりおろしニンニクを加えてみた。
ちょっとした工夫だったが、味に深みが増した。お高いインスタント麺に少しだけ近づいたようにも思える。
もっと多くの油とニンニクを入れたら更に美味しくなるのだろうか?ゴマ油よりもラードのほうがコクが出るかもしれない。このノリで油とニンニクを足していった先にあるのは、おそらく二郎系の何か。
過激なラーメンに行き着いた人の気持を理解できた気がする。でも、ぼくはそんなラーメンを好きにはなりたくない。節度をわきまえよう。