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憶測を売る

by 唐草 [2021/04/30]



 ポストにカワウソが入っていた。と言っても、かわいいコツメカワウソが入っていたわけではない。入っていたのは、マンガ『伝染るんです。』のかわうそ君(山田)だ。『伝染るんです。』好きとしては、それが罠だと知っていても無視できない状況である。
 ポストから回収したかわうそ君は、東京新聞の広告だった。そう言えば、数年前から東京新聞はかわうそ君をマスコットキャラクターとしてCM展開していた。まだ続いていたとは、2つの意味でビックリである。
 30年ぐらい前のマンガのキャラクターが令和のこの時代にマスコットになっていることもビックリなのだが、それ以上にかわうそ君をマスコットにしようという判断が驚きである。純朴そうな顔のかわうそ君であるが、本性は嫉妬の塊。ちゃんとマンガを読んでいたら絶対に採用したくない。きっと東京新聞の広告担当者は『伝染るんです。』を読んだことがないか、読みすぎて頭が壊れてしまったかのどちらかだろう。
 ぼくとしては好きだったマンガのキャラクターに再び光があたっているのが嬉しい反面、作者が古いキャラクターを引っ張り出しているのを見ると才能の枯渇が心配にもなる。
 さて、広告ではかわうそ君が看板を持っている。これは原作にもあるシーンをもじったもの。公園でバイトしているときのかわうそ君の姿だ。暗記するほど『伝染るんです。』を読んだぼくからすると、このシーンの利用は新聞の宣伝としてはマズイように思われてならない。
 かわうそ君が売っているのは、支払った金額に応じた「約束」か「憶測」。どちらもひどい内容だ。約束なら「今晩、スキー場にドライヤーを向けるのを我慢します」と言った感じだし、憶測は「今の支払いに使った硬貨は有名人が子供の頃お菓子を買った硬貨に違いない」といった感じ。金を支払うことがバカらしい情報を売っている。
 そんなシーンだと知ってこの絵を広告に選んだのだろうか?だとすれば、東京新聞は「約束」と「憶測」のどちらを売っているつもりでこの絵をチョイスしたのだろう?