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思い出分割

by 唐草 [2020/04/11]



 ぼくがPS4の購入を決断したのは、期待できるいくつかのソフトの発売がアナウンスされたからにほかならない。
 ぼくの心を動かしたソフトの1つが、FF7のリメイク版である。中学生だったぼくの心にグサッと刺さったゲームが、最新テクノロジーで蘇ると言われたら興奮しないはずがない。5年ぐらい前にオリジナルのFF7を遊び直したときもリメイクに関する期待を書いていた。その希望が現実になる日がついに来た。
 この希望は、ぼくだけのものではなかっただろう。FF7に心を奪われた元中二病患者の大勢が、最新テクノロジーで描かれるFF7の再来を願っていたはずだ。心の中のクラウドが黙っていない。例えそれが己の黒歴史をえぐることになったとしてもだ。
 しかし、同時に不安を抱いてもいた。
 20年前、FF7は当時の最新テクノロジーで作られたゲームだった。シナリオも当時のゲームとしては複雑だったし、多くのミニゲームを挟むことでRPGという枠を脱しようとしう意欲もあった。何もかもが革新的に感じられた。
 それは、あくまで20年前の話。今、見た目だけを最新にした同じシステムのゲームが発売されたとしても、古臭いRPGにしか見えないのは明白だ。この20年間に発売された多くのゲームに遅れを取ってしまうリメイクなんて見たくはない。ぼくは、当時感じた最新のもので遊んでいるというワクワク感を含めてリメイクをしてほしいと望んでいた。
 FF7のリメイクはパンドラの箱のように見えていた。伝説がさらなる輝きを纏って華々しく現代に蘇るという希望。輝かしい栄光は思い出の中でしか輝けないという失望。どちらが真実になるのかは、箱を開けるまで分からない。自分でも箱を開けてもらいたいのかさえよく分かっていなかった。
 そして、リメイク版は発売日を迎えた。ぼくの選んだ答は、購入見送りだった。
 体験版を遊んで思ったのは、優等生的なリメイクだという感想。まぎれもなく現代のFF7なのだが、なにかが足りない。20年前の低解像度の画面が映していた暗さと不気味さが消えてしまって、ピカピカな感じになってしまっていたせいだろうか?
 とは言え、これは購入を見送ったことではない。
 見送ったのは分作だからだ。この先、何分割されるかも分からないものに手を出すきはないし、どうせ最後に全部入りのお得版が出るだろう。その時買えばいい。