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指紋で寿命延長

by 唐草 [2020/03/11]



 これまでに2台のタブレットを使ってきたが、ぼくの使い方のせいでどちらも同じ問題を患っていた。電源ボタンの不調である。
 重度のネット依存症患者であるぼくは、ネットなしでは生きていけない体になってしまった。マグロが泳ぎを止めると呼吸ができなくなって死んでしまうかのように、パケットを浴び続けていないと退屈の虫が心を食い尽くしてしまうのだ。ためになる情報も、役立つ教養もいらない。ただ時間を潰すためのゴミのような情報の流れに身を置くだけでいい。刻一刻と変化して即座に消費できる情報が作るぬるま湯の中に何も考えずに浸かっていたいのだ。
 タブレットは、ぼくの堕落した願いを叶えてくれた。画面をつければすぐに、大きな画面からゴミのような情報がドサドサこぼれ落ちてきた。ぼくは一日に何十、何百回とゴミを貪り食い続けている。
 今日までに何回電源ボタンを押してきたのだろう。画面が消えていることに怯えているかのような使い方は、ハードウェアの設計限界を軽々と超える負荷をタブレットに与えてきた。2台とも電源ボタンの不調に見舞われて、つけたいときにつかず、消したいときに消せない状態になってしまった。ぼくはこのまま一生、タブレットやスマホの電源ボタンを壊し続けていくのだろうか?
 悲しい宿命に己の性癖を呪わずにはいられなかった。
 だが、テクノロジーの進化がぼくに救いの手を差し伸べてくれた。新しいスマホは、今の製品らしくモーションセンサーで指紋認証を起動してくれる。ぼくも時代に追いつき、物理的なボタンに触れずともロックを解除できるようになったのである。この機能によって電源ボタンを押す回数は半分になった。つまり、ボタンの寿命が2倍に伸びたことになる。同じハードを長く使いたいぼくにとっては、もっとも評価できる進化である。
 それでも電源ボタンに触れなくなったわけではない。画面を消すときには否が応でもボタンに触れなくてはならない。ボタンに触れずに、任意のタイミングで自由自在に画面を消す良い方法はないだろうか?触れずに済むようになれば、スマホの寿命はグッと伸びる。
 混沌としたアプリストアにはぼくの望むようなアプリがあるかもしれないが、果たして探すことはできるだろうか?いざ、アプリストアの荒波をかき分け航海へ出発だ!
 と思ったら、ワンタッチ画面オフアプリがプリインストールされていた!灯台下暗しである。