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センター試験のドレスコード

by 唐草 [2020/01/21]



 センター試験の監督官には、『監督要領』という200ページ以上あるマニュアルが配られる。分厚いマニュアルだが、何年にも渡って改定が加えられてきたのでとても使いやすい。
 試験の流れは分刻みのタイムラインで指示されている。主任監督官の発言も一字一句指示されている。さらに試験進行を妨げる問題が発生した場合の対応フローチャートまである。監督官が何かを現場で考える必要などまるでない。ロボットのようにマニュアルに従えば、99%うまくいくように準備されているのだ。
 『監督要領』には服装についても記載がある。センター試験を受験するためのドレスコードが存在している。それと同じように監督官にもドレスコードがある。
 監督官のドレスコードは、「男性は燕尾服着用せよ」というようなヨーロッパの上流階級のように厳密なものではない。もっと実践的なドレスコードなのである。しかも実用一点張りなのでよく見ると変な出で立ちになってしまうのである。
 監督官のドレスコードは足元のみ。「受験生の集中力を妨げないように、歩いても音を立てない靴を着用しろ」という指定があるだけだ。その結果、多くの監督官がスーツにスニーカーとなる。その姿は、就活を始めたばかりの大学3年生のような不格好な装いである。でも、監督官たちの妙な装いに気がついている受験生は多くないだろう。
 次に受験生のドレスコードだ。こちらも実用一点張りの指示があるのみ。「文字が書かれた服を着用するな」という単純な指定だ。古代中国の科挙の試験に学んだ知恵が現代にも活かされているというわけである。言われれば当然の指示なのだが、普段着で来た受験生がこのドレスコードを守れていないことがよくある。その場合の対応も『監督要領』に書かれている。
 ドレスコードを守れていない受験生には、教室で服を脱ぐように指示すると定められている。ぼくが担当した教室でも1人服を脱がされていた。幸いにも男子だけの教室だったので、なんの問題もなく服を脱いでくれた。
 だが、女子がドレスコード違反だと面倒なことになっていただろう。オッサンが女子高生に対して公衆の面前で「服を脱げ」ということになるんだから。羞恥プレーとか冗談を言う余裕すらない、この世の地獄のような空気になること必至である。