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マスクの下の表情は

by 唐草 [2020/06/21]



 数カ月ぶりに車で40分ぐらいの距離にある大型ホームセンターへ足を運んだ。家を修繕するための材料が必要だったので、職人御用達の大型店へと向かう必要があったからだ。コロナ騒動以前はペット用品をまとめ買いしに毎月訪れていた店だったのに、まさか数ヶ月も間があくことになるなんて考えてもみなかった。
 久々に訪れたホームセンターは、コロナ騒動前と同じように多くの人で賑わっていた。レジには透明のフィルムで作られた即席シールドが設置されていたし、フードコートの座席も減っていた。店側は最大限の努力をしているだろう。でも、押しかけてくる大勢の客の前では十分な効果が出ていないようだった。
 2mの間隔を保とうなんて言うのは完全に机上の空論だ。レジ待ちの列こそ床に引かれた線のおかげで間隔を保てているが、その隙間を抜けていく人も少なくなかった。密になるのを避けるためにエレベーターの利用をしない人も多いようだ。いつもはエレベーターホールに退屈そうな顔で階数表示を眺めている人が数人いるのだが、今日はガラガラだった。皆、エレベーターではなくてエスカレーターを選んだのだろう。エスカレーターは年末の買い出し時期のように混んでいた。この状態を考えると、いっそエレベーターを使ったほうが低リスクだったかもしれない。
 店内が賑わいに満ちているように見える理由は、多くの人が家族連れで来店していることも大きいだろう。親子連れか夫婦と思しき人の集まりが、店内を埋めている。かく言うぼくも、大きな荷物を買いたかったので家族と出かけている。
 店を訪れている人は、どんな理由でここを訪れ、どんな気持ちで目の前の風景を見ているのだろう?今まで買い物を控えてきたけれど、日用品も底を尽いてきたので仕方なく来ているのだろうか?それとも、自宅での自粛を幽閉のように感じていた人が羽を伸ばしに来ているのだろうか?マスクの下の表情を推し量ることは難しい。
 マスク着用率が高いことを除けば、コロナ前の日常が戻ってきているようにも見える。だが、ぼくはこの賑わいを素直には喜べないでいる。性急な復調に危険の影を感じているからだ。