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by 唐草 [2022/07/22]



 キーボードをMajestouch(茶軸)からREALFORCE(静電容量式)に切り替えて1ヶ月が過ぎようとしている。茶軸は、しっかりとしたクリック感とガチャガチャという打鍵音が売り。対する静電容量式は、抜けるように軽く静音性が高い。まったく逆のクセを持つキーボードへの切り替えとなった。例えるならば、マウンテンバイクからロードバイクに乗り換えるようなもの。
 キーボードの裏側に潜む小さなスイッチの種類が変わるだけで、ここまで大きな変化が起こるなんて思ってもいなかった。やはり、頭で知っているのと実際に体験するのは別物である。
 REALFORCEに乗り換えた最初の2週間は、ひどいミスタイプに悩まされていた。キーのサイズもストロークも配置も同じなのになぜミスが起きるのかが不思議で仕方なかった。ハッキリとした原因が明らかになる前に慣れてしまったので真相は闇の中だけれども、仮説として「音」を挙げたい。
 打鍵音が静かすぎてきちんと打てたのか自信を持てなかったように思える。茶軸がガチャガチャうるさいことは認識していたけれど、聞いているつもりはなかった。ところが、無意識のうちにガチャガチャ音がフィードバックになっていたのかもしれない。
 徐々にだが、REALFORCEも自分の体の一部になりつつある。でも、背伸びして高級品を買ったという感覚は全然抜けていない。
 その証拠に使わないときには、カバーをかけている。さすがにレースの敷物をかけているわけではない。梱包していた厚手のビニール袋をカバーとして再利用している。
 カバーはキーボードを猫毛から守るため。歴代のキーボードが軒並み猫毛にやられた経験を活かした防御策である。
 確かな対猫毛防御力があるが、見た目が貧乏くさいのが悩みの種。
 高級品だから過度に大切に扱おうとお客さんのような扱いをしている。その結果、かえってみすぼらしく見えてしまっているのは皮肉なものだ。
 この陳腐なビニールカバーを外す覚悟ができたときこそ、本当にREALFORCEが自分の体の一部になったときなのかもしれない。