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ロックダウンの法的根拠は

by 唐草 [2021/08/15]



 日本中に広がり始めたコロナ感染拡大の第5波を食い止める有効な手段は、いったい何があるだろう?ぼくら日本人は海外から勤勉で真面目だと見られているそうだが、実際にはほとんど何も考えずに右に倣えをしているだけ。自粛生活している人がいると知れば自粛をするし、自粛要請を無視している人がいると知れば街へと繰り出す。無能な働き者という感じだ。
 リタイア世代のぼくの親は、年齢的に重症化リスクが高いこともあって、現状を憂いている。政府はさっさとロックダウンに踏み切るべきだと考えているようだ。1年半に渡って破綻することなく自粛生活を続けられる人からすれば、ロックダウンを乗り切れそうな気分になるのだろう。
 挙げ句の果てにぼくに向かって「政府はどうしてイギリスみたいにロックダウンを実施しないんだ?」と聞いてきた。知らんよ、そんなこと。
 とは言え、聞かれてしまったからには気になってしまう。イギリスでできて、なぜ日本では出来ないのか?イギリスはどんな法的根拠に基づいてロックダウン実施したのだろう?完全に専門分野外だが、法学関連の論文を中心に目を通してみた。そこで得られた知見から日本での議論状況をネットで眺めた結果、クソ面倒くさい状況が見えてきた。ぼくの頭で理解できる範囲でまとめると次のようになる。
 ロックダウンすると個人の自由な行動が制限される。これを私権制限と呼ぶ。私権制限は憲法で定める個人の自由を侵していると見做すことができるらしい。なので現行の法律と憲法解釈の下でロックダウンすると違憲となる可能性があるそうだ。これに絡めて憲法改正と私権制限の法整備を求める与野党の意見が対立していて話が進めにくいという意見もあった。
 とは言え、海外でも個人の自由は憲法で保証されている。では、イギリスはどう対応したのか?そっちを調べると、国がピンチのときは一時的に私権制限を実施できる国家緊急権というものが定義されていると出てきた。ピンチとは、ざっくり言うと疫病・自然災害・戦争になる。つまり戦時下に軍主導で国を動かす余地を残しているのだろう。今の日本にはなさそうな概念だ。
 ロックダウンできないのは、平和ボケのツケなのか?この長雨が、せめてコロナだけにはプラスに働くことを願うばかりだ。