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マ(ジ)グ(ソ)セーフ

by 唐草 [2021/12/10]



 古くても構わないし、ノートでもデスクトップでも構わない。とにかくMacを1台用意しなくてはならなくなった。関係者にお願いして手当たりしだいに探した結果、どうにか1台使えそうなものを手に入れた。
 手元に転がってきたのは2014年モデルの11インチMacBook Air。
 驚いたことに白い化粧箱に入ったままだった。箱には傷もなく未使用に見える。開けるとシルバーの本体が顔を覗かせた。保護シートに包まれていないところを見ると未使用ではないようだ。一方で、箱に収められた電源ケーブルは美しいカーブを描いてキッチリと隙間なく収まっている。ケーブルを使った形跡はない。
 電源を繋いで起動するとアカウントが設定されていた。でも、そのアカウントのパスワードは誰も知らなかった。おそらくこのMacBookは、一度箱から出して初期化した後、7年放置されていたようだ。
 放置の代償はあまりにも大きいかった。本体にも画面にも傷一つ無いけれど、ノートPCとして使い物にならない大問題が起きていた。
 バッテリーが完全に死んでいた、充電しても電気を受け付けない。内蔵時計を動かす事もできないほどの劣化。だからノートPCのくせに一瞬でも電源ケーブルが抜けるとPCの電源が切れてしまう。それでも電源をつないでいれば使うことはできる。これでもなんとかなるはず。
 と思ったのだが、Appleの優れたデザインがぼくの計画に水を指した。
 この世代のMacBookの電源ケーブルは、マグセーフと呼ばれる磁石でくっつくタイプ。誤って電源ケーブルを足に引っ掛けてしまっても簡単に外れるので、本体を落とす心配がないのが売り。これは素晴らしいデザインだ。
 でも、今回のように一瞬たりとも電源が外れてはいけない状態となるととたんにおせっかいになる。本体をちょっと傾けただけでケーブルが外れて電源が切れる。そのせいで再初期化に3度も失敗してしまったし、その後も何度も不用意に電源が切れている。
 これがレアなケースなのは認めるけれど、それでもマグセーフを心底クソだと思っている。