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やっぱ紙だな

by 唐草 [2021/11/23]



 タブレットを手にする前、ゲームを楽しむぼくの傍らにはクリップボードがあった。そこには攻略サイトを参考にして作ったチェックリストが挟まっていた。アイテム取得やスキル育成に合わせてチェックを入れていく。チェックするときは満足げな表情をしていたに違いない。
 そんなプレースタイルは、タブレットの導入で変化を迎えた。チェックリストはアプリに取って代わられた。紙を使うのは一時的なメモを残すときぐらい。ゲームを楽しむ環境もDXしていた。
 攻略サイトの影響で攻略本の影が薄くなったのと同じように、手書きの攻略メモや攻略ノートは失われていくのだろう。スマートな遊び方になったはずだが、どこか寂しさがある。この感覚はデジタルゆえの実態のなさから来るのだろうか?それとも単なる懐古だろうか?
 最近は電卓アプリ片手にゲームを遊んでいた。プレイヤーが自由に値付けできるバザーでお買い得品を見つけようと躍起になっていたからだ。
 ぼくが狙うのはハズレ武器。武器としてはゴミが、リサイクルすることでポイントに変換できる。このポイントを少しでも安くゲットしようと電卓を弾いている。
 何に価値を見出すかは人それぞれ。ゲーム内通貨が重要だと考える人もいれば、ぼくのようにリサイクルポイントを重視する人もいる。だから、バザーでのハズレ武器の価格は千差万別。整理のために捨て値で出品する人もいる。それらがぼくの獲物。
 武器の種類やレア度によってリサイクルポイントは異なる。だから、計算しないと1ポイントあたりの値段が分からない。でも、毎度電卓を叩いていたのでは買い物のペースが上がらず同業者に先を越されてしまう。だから、ぼくはスマホで価格早見表を作った。これでもう電卓は不要だ。
 だが、バザーに寄るたびにコントローラを置いてスマホを手に取る面倒さは電卓を叩いていた頃と変わらなかった。しかも、放置していると画面が消えてしまう。もっと楽できないものか?
 たどり着いた答は、早見表の印刷だった。これで放置しても消えないし、通知で見えなくなることもない。限られた情報へアクセス速度は、やっぱり紙が一番だな。