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ヘチマ

by 唐草 [2021/08/20]



 この10年ぐらいでゴーヤは身近な野菜になった。昔は沖縄料理店でしか食べる機会がなかったが、最近では定食屋の夏メニューとして定着していることも多い。コロナ前までは社食の日替定食にゴーヤチャンプルが出ると必ず注文していた。
 スーパーで売られているのを見たこともある。ただ、店によって「ゴーヤ」だったり「にがうり」だったりと表記はバラバラ。南国の珍しい野菜というポジションは脱したが、キャベツやジャガイモと言ったド定番の野菜とはだいぶ水をあけられている。
 ゴーヤの知名度が急上昇したキッカケはなんだろう?メディアによる沖縄推しもあったかもしれない。ただ、テレビやネット越しにゴーヤを見たという記憶はあまりない。むしろ、素人が作った出来栄えの悪いゴーヤを直に見た記憶が鮮明に残っている。今年もすくすく育っていくゴーヤの姿を毎日目にしている。
 たぶんゴーヤ躍進のキッカケは、暑さ対策のグリーンカーテン運動にあるのではないだろうか?夏場になると軒先で元気よくツルを伸ばすゴーヤを毎年目にしている。通り道にある見ず知らず他人の家に実るゴーヤの成長を楽しんだこともあれば、隣家のグリーンカーテンに実ったちょっと太いキュウリ程度の貧相なゴーヤをもらったはいいが食が進まなかったこともある。
 自然の力を利用して暑さから逃れ、さらに収穫して舌でも楽しめる。一粒で二度美味しい上にお財布の助けにもある。これが人々をゴーヤ栽培に駆り立てる要因だろう。
 今でこそグリーンカーテンという言葉が一般的になり、暑さ対策の1つとみなされるようになった。でも、夏場に蔓性植物で日よけを作ることは新しいものではない。昭和の頃から既に行われていた。とは言え、平成の中頃までゴーヤの姿はなかった。家々を囲っていたのはヘチマだった。ぼくも小学生の頃、学校でヘチマのグリーンカーテンを作った記憶がある。
 ヘチマは、スポンジを作れるし、お肌にいいヘチマ水も取れる。色々作れるが、その作業は骨が折れる。食べて消費できるというお手軽さのゴーヤの前にヘチマ完敗してしまったのだろう。もう何年もヘチマを見ていない。