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さよなら、3の付く世代

by 唐草 [2021/06/20]



 久々に映画をDVDを見たくなった。と言うわけで、DVDのパッケージを持ってリビングへと向かった。
リビングでDVDを再生するのはPS3。ゲーム機としての役目を終え、余生をメディアプレーヤーとして送っている。とは言え、最近は配信ばかり使っていたので、PS3に電源を入れるのは数年ぶりだった。
 電源を押すとピッと甲高い電子音が響く。久々の起動なのでさまざまな通知がドっと届くのだろう。数秒後にビビビッと連続した電子音が鳴り響き、電源ランプが赤く点滅していた。数年ぶりの起動なのでエラーでも起きたのだろうか?とりあえず、電源を長押しして再起動を試みた。
 だが、何度やっても変わらない。対策を求めてネットを調べたら絶望的な事が書かれていた。
 これはPS3のYLOD(Yellow Light Of Death)と呼ばれる不具合で、本体に致命的な問題が発生したときの警告だそうだ。確かに本体のLEDをよく見ていると赤点滅の前に一瞬黄色に光っている。
 不具合の原因はCPUのハンダが欠けてしまったことらしい。集積回路のハンダクラックなんて素人に直せるものではない。だからと言って、今更PS3を数万かけて修理する気もない。もう、完全にお手上げだ。使っていなかった数年の間に静かに壊れていたようだ。コンピュータは放置している分には壊れないというぼくの定説が音を立てて崩れた瞬間でもあった。PS4の排熱で熱くなっていたのがマズかったのかもしれない。
 PS3の頃は携帯ゲーム機全盛期だったので、PS3は買ったもののあまり遊んだ記憶はない。だから、あまり使わなかった機械が、使わないうちに壊れたというなんとも掴みどころの無い喪失感に包まれている。
 PS3の代わりとして、同じく数年ぶりに引っ張り出してきたXBOX360も同じような症状(RRoD: Red Ring of Death)で壊れていた。1日で2台のゲーム機の故障を知ることになったのは、結構堪えている。
 調べたところによるとこの時期に無鉛ハンダへの切り替えが進んだが、無鉛ハンダはクラックを起こしやすいという認識がなかったとか。数グラムの鉛を減らした結果が、合計数キログラムの半導体のゴミを産んだとも言える。
 さよなら、ぼくのPS3とXBOX 360。