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13年ぶりのMac

by 唐草 [2022/05/21]



 部屋を片付けていたら、また古いハードディスクが出てきた。容量2GBの骨董品。たぶん25年以上前のものだろう。どんなPCに搭載されていたのか思い出せない。
 20年以上放置しているので壊れているだろう。仮に無事でもSDカードに劣るものを使うことはない。処分しか無いが、その前に状態を確認したい。
 接続は、幅広ケーブルのIDE。手元には、IDEケーブルもIDE端子のあるPCもない。またしても状態を確認できないばかりに処分できないのだろうか?こんなことばかりである。
 このままだと死ぬまで古いハードディスクを抱えることになってしまう。状況を確認する方法は、なにかないだろうか?
 ケーブル変換アダプターが売られているが、確認のためだけに購入するなんてケチなぼくにはできない。ましてや、確認用に骨董品クラスの中古PCを買うなんて論外だ。
 万策尽きたと頭を抱えていたら、ふと視野が狭くなっていることに気づいた。PCで使っていたハードディスクだから確認もPCでないとダメだと思いこんでいた。
 つながるのならMacでもいい。
 我が家には、これまで使ってきたMacがコレクションされている。G4世代のMacならIDE接続のはず。
 きっと古いMacのハードディスクも壊れているだろう。それは仕方ないし、今回の確認には関係ない。それよりMacの電源が重要だ。
 一抹の不安を覚えながら13年ぶりにPowerMac G4(QuickSilver)を起動する。部屋が揺れるような爆音で起動音が鳴り響く。真横にいたので耳がじんじんするが、電源が生きていたので一安心。目的は果たせそうだ。
 数秒後、モニターにグレーのリンゴマークが表示された。まさか生きているのか?
 半信半疑で画面を見つめていたら何事もなかったかのように起動した。時計さえ狂っていなかった。画面には13年前に取り組んでいた仕事のデータがそのまま残っていた。
 すごいな。いろいろな感情が混じって拙い言葉しか出ない。なんだかタイムカプセルを開けたような懐かしい気分に浸ってしまった。
 なお、問題の古いハードディスクは壊れていた。