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猫の目

by 唐草 [2021/09/13]



 猫という生き物は、驚きの詰まった毛皮の塊みたいな存在だ。生まれて以来ほぼ猫とともに生きてきたが、猫のいる生活に退屈したことは一瞬たりとない。たとえ朝一番の仕事がゲロ掃除だったとしてもだ。
 猫の面白さは予想不能な行動だけではない。猫という種の多様性も猫の面白さの大きな部分を占めている。
 「猫を想像してください」と言われたら、どんな猫を頭に思い描くのだろう?三毛猫?縞猫?白黒猫?赤トラ?それとも模様のない白猫や黒猫だろうか?
 猫の模様は一匹として同じものはないと言えるぐらい種類に富んでいる。一言に三毛猫と言っても模様の入り方は、猫ごとにぜんぜん違う。単に模様の配置が違うだけでなく、オレンジ色の毛に縞が入っているものとそうでないのがいる。また、白黒猫も概ね背中が黒いという共通項があるだけで白と黒の境目は、川の流れのようにみな異なっている。
 雑種だと親子兄弟であっても色も模様も違うことだってある。これまでに多くの猫と暮らしてきたが、どの猫も性格が異なるのと同じで個性的な模様をしていた。一般的に黒猫と呼ばれる猫であっても、わずかに交じる白い毛の場所や量がぜんぜん違う。
 ちなみに猫の皮膚の色は生えている毛の色によって左右される。白黒猫の毛をかき分けると、白毛の生えている皮膚はピンクで黒毛の部分は黒っぽい皮膚をしているのがわかる。パンダと同じだ。赤トラの皮膚は毛の色と同じでオレンジっぽいが、茶トラの皮膚は茶色でなく灰色っぽい。
 毛と同じように個性が現れるのが目の色。日本猫の雑種の目は、毛の模様や色によらず緑か金茶がほとんど。例外は、赤トラ系が強いとオレンジ色っぽくなるぐらい。
 目の色の種類は少ないが、どの猫も微妙に違う色をしている。その色を緑と呼ぶか金茶と呼ぶかはとても難しい判断となる。今家にいる猫の目は何色かという話をすれば、家族の間でも意見は割れる。見る角度によって色が変わるぐらいに繊細な色をしている。
 目の色一つとっても、猫は驚きに満ちている。彼らに飽きることは絶対にない。