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バックスペースの暴走

by 唐草 [2021/06/07]



 バックスペースキーの調子が悪い。一度しか押していないのに2文字消えるという現象が発生してぼくを悩ませている。毎回起こるのなら故障だと諦められる。そうではなく、問題が起こるのは5回に一度ぐらい。どんな故障でも厄介なことに変わりはないけれど、時々起きるという不安定さがぼくの神経を逆なでしている。
 もしもぼくのタイプスキルがパーフェクトで、同時に執筆能力も完璧であれば、文字を消すバックスペースキーなんて存在していなくも構わない。悲しいことに現実は理想から遠くかけ離れている。タイピング精度はボロボロだし、執筆力も乏しいので書いては消してを繰り返している。ここの記事から仕事でメールに至るまでぼくが文字を打つ時に一番押しているキーは、バックスペースだと言っても過言ではない。一番酷使されるキーだから壊れてしまったのだろうか?
 誤作動に怯えるぼくは、そっとバックスペースキーを押してしまう。実際のところ叩く強さや速さで誤動作を抑えられている感じはしない。それでも暴走気味の機械を相手にしていると思うとついつい操作が慎重になるものだ。
 しかし慎重な操作をあざ笑うように予測不能なタイミングで文字が余計に消えていく。一文字だけ消そうとそっと押したときも、数文字まとめて消そうと連打してもどうなるかは分からない。きちんと押した回数分の文字が消えることもあれば、消したくない文字まで消されて単語が半分になっていることもある。
 バックスペースキーを押すたびに指の動きが一瞬止まるし、文字を消すたびに確認する羽目になっている。おかげでタイピングのリズムが崩れてるし、集中力も途切れるしで全然入力が進まない。
 いっそのことバックスペースキーが、まったく反応しないほうがストレスを感じないかもしれない。なまじちゃんと動くことが多いからこそ頑張って使おうとしてイライラを募らせてしまう。かすかな期待が、ぼくの心を締め付けているとも言える。いつまでこの半壊状態が続くのか?一番使うキーとは言え、キー1個のためにキーボードを買い換えるのは出費的に痛すぎる。