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もっと早起き

by 唐草 [2021/01/25]



 先週の大学入学共通テストの監督業務でもっともぼくを悩ませたことは、秒単位で業務が厳格に定められた監督要領でも、試験中にマスクを外しそうになった受験生でもない。胃痛になるほどぼくを悩ませたのは早起きである。
 ぼくは朝に弱い。それに加えて寝起きがとても悪い。目覚ましがなければ10時過ぎまでグーグーと惰眠をむさぼるし、目が覚めてからも30分は体が動かない。そんなぼくにとって普段の朝よりもずっと早くに行動を起こさなければならない試験当日の朝は、受験生とは異なる緊張感に包まれていた。
 試験当日は絶対に遅刻が許されない。腹痛でトイレに駆け込んだせいで遅れるなんて言うのは言語道断だし、鉄道遅延だって許される雰囲気にない。親が死んでも、事故で片足もげても時間までに来いと言わんばかりの空気に支配されている。
 幸いなことに今年は遅番だったので、6時半までに家を出れば大丈夫だった。それでも油断せずに万全を期す必要がある。では、どうすればベストに近い状態で早朝に出勤できるだろう?
 たっぷり睡眠時間を確保するためにギリギリまで寝ているべきだろうか?いや、そうじゃない。朝に弱く寝起きの悪いぼくにとって起きてすぐの行動は悪手でしかない。絶対に途中で便意を催したり、ゲロ吐きそうになったり、立ちくらみで階段を踏み外したりする。
 そこで考え方を180度反転した。起きてから家を出るまでの時間を普段の2倍以上確保して、完全に目を覚ましてから行動することにした。
 だから、6時半に家を出ればいいのに5時に起きた。
 意識の高い人間なら早朝の1時間半を使ってちょっとしたワークアウトでもしているのかもしれない。でも、朝弱男のぼくにそんな事できるはずもない。口を半開きのまま1時間半ぼーっとして休日の朝のようにゆっくりと目を覚ましていった。
 結果から言うとこの早起き作戦は大成功だった。午後にゆっくり出勤するときのように気持ちよく電車に揺られていた。
 早起きが必要なときは、もっと早くに起きればいい。逆転の発想がもたらした勝利である。